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(連載企画)ベンチャー企業支援のいろは(第3回)

「中小企業診断士がベンチャー企業を支援する余地はあるのか?」の問いに答えるべく、「ベンチャー企業支援のいろは」を明らかにしていく連載企画。前号まで2回にわたって、活躍する診断士の取材を通じてポイントを説明してきました。本号では、これまでの私の経験をもとに、ベンチャー企業にはどんなニーズがあり、どのようなアプローチが正しいのかについて簡単にご紹介します。

私はマーケティング専門家として、中小企業やベンチャー企業の「勝ち筋」を見極め、その実行支援を行っています。顧客企業との出会い方は様々ですが、ベンチャー企業から相談をいただく課題は以下のようなテーマが多いです。

▼ベンチャー企業のよくある課題
・組織的マネジメント能力の向上
・営業スキルの伝承、型化、育成
・プロダクトの訴求点開発、軌道修正
・ストレッチさせた高い目標を達成するためのプランニング
・やりたい施策を実行するためのリソース確保やノウハウ獲得

 また、彼らが成長を志向するベンチャー企業であることから、単に課題を解決するだけでなく、「課題解決プロセスを通じた、人や組織の成長」までをセットで提供してあげられると、非常に満足していただける印象です。そのため、例えば私は以下のようなアプローチを意識しています。

-▼組織成長までを考えた支援姿勢

・第三者だからこその多面的な動き方を見せ、スタッフの視野を広げてあげる
・深い顧客調査を行い、顧客の解像度を一緒に高めてみせる
・課題解決や事業成長、売上アップの楽しみを実感させ、やる気スイッチを入れる

 上記1点目と2点目を組み合わせた具体的な取組みとしては、競合調査や顧客インサイト収集があります。「競合商品を使ってみる」「自社商品を使ってみる」「見込み客や既存客にインタビューやアンケートを行う」「ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成する」などのアクションを、外部リソースだからこその客観性と機動力を用いて実行します。そして、顧客企業のスタッフとともに、想定との違いや当時の情報との違いなどを丁寧に拾っていくのです。

 ベンチャー企業であれ中小企業であれ、顧客や市場、競合についてしっかり理解できているケースは多くありません。そのため、これらの取組みは、事業拡大に寄与する貴重な情報になるだけでなく、関わるスタッフの視野を広げ、組織全体を活性化させることにもつながるわけです。

 コンサルタントとしても、ベンチャー企業にこのような奥行きまで支援できれば、差別化も実現できるうえ、非常に高いやりがいを感じられるはずです。今後は、上記のような観点を持って、ベンチャー企業のお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

 次回は、ベンチャー企業の成否を分けるPMF(プロダクト・マーケット・フィット)についてお伝えする予定です。

                                  【小野 慎介】

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