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連載企画 中小企業における健康経営 (1)データヘルス計画とは

現在、筆者は薬剤師の視点を生かして健康保険組合や自治体から授受したデータの分析を行っており、分析の要件定義や集計結果のレポート化などに従事しております。本連載では、中小企業における健康経営の切り口として、「データヘルス計画」について、筆者が健康保険組合の保険事業をご支援した経験をもとにポイントをご紹介します。健康保険組合が行う保険事業の概要からデータヘルス計画、データヘルス計画と中小企業の健康経営にまつわる事例などについて、計4回にわたり執筆します。

保険事業とは

健康保険組合が、加入者(被保険者・被扶養者)の疾病予防や早期発見の手助けをしたり、健康増進を支援したりするために行う事業が保険事業です。保険事業はすべての健康保険組合で同一というわけではなく、加入者の特性に合わせて各健康保険組合が様々な保険事業を計画・実施しています。

例えば、保険事業には次のような事業があげられ、特定健康診査や特定保健指導の案内及び事業者の選定、がん検診の実施、生活習慣病の重症化予防、インフルエンザ等の予防接種事業、禁煙対策やメンタルヘルス対策など、多岐にわたります。最近では、女性の健康に関する保険事業に力を入れたり、事業所と連携してメンタルヘルス対策を強化したりする健康保険組合などもあり、従業員の健康増進のために様々な取り組みがなされています。そして、その保険事業を支援するために様々な業者が存在します。

データヘルス計画とは

全ての健康保険組合は健康・医療情報(レセプトデータや特定健診データなど)を活用したPDCAサイクル(図1)に沿った効果的かつ効率的な保険事業の実施を図るため、保健事業の実施計画を策定すること、とされており、この実施計画が「データヘルス計画」です。データ分析を行い、その結果に基づいてどんな保険事業を実施し、どの事業にどれくらいリソースを配分するかを落とし込んだ計画です。

データヘルス計画は3年ごとに中間見直しを行い、計6年間の計画を策定します。2024年3月で第2期データヘルス計画が終わり、2024年4月から第3期データヘルス計画が始まりました。データヘルス計画についてもっと知りたいという方は、厚生労働省webサイトに「データヘルス計画作成の手引き」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061273.html)が公開されているので、ぜひご覧ください。

図1 保険事業のPDCAサイクル

<出典>健康保険組合連合会webサイト 「健康保険の基礎知識」を参考に作成

まとめ

健康保険組合が加入者の健康増進のために行うのが保険事業で、保健事業のPDCAを回すために、データ(レセプトデータや特定健診データなど)を活用して効果的かつ効率的な実施を図るために策定された計画が「データヘルス計画」です。

次回は「データヘルス計画とコラボヘルス」についてです。

【濱谷(はまたに) 悠太】

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