【SDGsレポート】規格外野菜を資源に変える、食の循環モデル(合同会社グロバース)

1.企業・事業概要
合同会社グロバースは、代表の長谷川哲雄様が、2021年(令和3年)に創業した、食品ロス削減を主軸とする企業です。
前職でIT系企業の営業に従事していた代表が、「今後の人生で、生活に最も身近で不可欠な『食』の分野に関わりたい」という思いから、起業したものです。
事業の中心は、規格外野菜や未利用野菜の有効活用です。
こうした野菜を、単に買い取って加工・販売するのではなく、農家と対話を重ねながら、「どの野菜を」「どのように加工すれば」「新たな商品価値を生み出せるか」を、主に横浜市・藤沢市周辺の農家(約10軒)と共に考え、商品化までを支援する「伴走支援型モデル」となっていることが、特徴です。
現在は、主に、乾燥野菜・パウダー加工などを通じて、廃棄されがちな農産物の付加価値化を進めています。
【法人概要】
| 項目 | 概要 |
| 所在地 | 神奈川県横浜市西区北幸1-11-1 水信ビル7F |
| 代表者 | 長谷川 哲雄 |
| 創業・設立 | 令和3年10月1日 |
| 従業員数 | 1名(パート9名雇用予定) |
| 法人理念 | 生産者、小売業、飲食店、消費者とそれぞれの立場の方を「食品ロス削減」というキーワードで繋げて、誰もが心豊かになるサービスを提供する。 |
| 事業内容 | 食品ロス軽減フードシェアリングサービスの運用・開発 6次産業化の伴走支援サービス |
| 認証等 | かながわSDGsパートナー登録法人 |

2.SDGsに取組んだきっかけ
同社は、当初からSDGsを目的として事業を開始したわけではありません。
起業した後、「食」分野で何ができるか、調査・ヒアリングを進める中、「食品ロス」が極めて深刻な社会課題であることを知ったことが出発点となっています。
特に、農家との対話を通じて、「規格外野菜や未利用野菜が種類によっては、生産物全体の約4割が廃棄されている」という実態を知り、強い問題意識を抱くようになりました。
味や品質に問題がないにも関わらず、形・大きさ・市場価格の事情により、廃棄される野菜が大量に存在する現状に、「もったいない」という、素朴だが切実な感覚が、この事業に取り組む原点となりました。
これが、結果として、SDGs(特に食品ロス削減、持続可能な生産消費)への強く結びつく事業へと発展していきました。
3.SDGsに取り組む目的・目標
食品ロス削減を、ボランティア活動ということでなく、「理念」に基づき、持続可能なビジネスとして成立させることを目的・目標としています。
具体的には、規格外野菜を「廃棄物」でなく、「資源」として捉え、農家にとって「副収入源」となるとともに、農家の名前を入れ、加工品としてもPRすることで、価値を生み出すことを目標としています。
また、食品ロスというテーマを通じて、「環境」「食育」「地域活性化」といった、複数の社会課題が同時に解決されるモデルの構築をめざしています。

4.SDGs取組体制
同社の取組は、社外と連携することで進められてきました。
原材料となる野菜は、横浜市・藤沢市周辺の農家から、形の悪さや傷などを理由に廃棄される規格外野菜を仕入れることにしました。
乾燥工程については、乾燥加工事業者に委託して加工を行ってもらっています。
この乾燥加工された野菜は、障害者就労支援と連携し、福祉事務所にて、袋詰めラベル貼り等の軽作業を行ってもらうことで、製品化させています。
製品化された商品は、約10ヶ所ほどの、小売店にて販売しています。図示すると、下記のようになります。

当初、福祉事務所との連携は、紹介をきっかけに始まりましたが、その後は、商工会などを通じて自然に広がっていきました。
結果として、「知識、専門知識、技術や資金を集めて共有する、さまざまな関係者によるパートナーシップによって、これを補う」というSDGsが目指す取組体制が構築されています。
さらに、「食品ロス削減」という分かりやすいテーマ性から、近隣小学校の総合学習への招聘依頼が増え、「子供→親→地域」へと、関心が波及する好循環が生まれています。
これは「持続可能な社会を作るための教育」というSDGsの目標にも、資する取組になっています。
こうした連携は、当初から計画されたものでなく、事業を継続する中で、自然発生的に形成されていった点が特徴です。

5.SDGsに取り組んだことによる効果
食品ロス削減というSDGsへの取組を行うことにより、以下のような効果が生まれています。
- 行政主催イベントや地域活動からの声がかかるようになった
- 学校・教育現場からの問い合わせが増加した
- 事業の社会的意義が伝わりやすくなり、共感が得られやすくなった
結果として、同社の取組が、「農家」「福祉事務所」「教育機関」「地域社会」をつなぐ、ハブ的な役割を果たすようになってきています。
SDGsは目的そのものではなく、多様な主体とつながるための「共通言語」として機能したという点が大きな効果ではないかと考えられます。
6.SDGsの取組に関しての今後の課題・抱負について
こうした活動を行う中、代表の長谷川様は「食の6次産業化プロデューサー」の資格認定を受け、新たな挑戦に取組んでいます。
2024年7月に開業した相鉄いずみ野線ゆめが丘駅直結の複合商業施設「ゆめが丘ソラトス」に商品を置いたことをきっかけに、同施設から「食品加工所をつくるにあたり、どのような施設がよいか考えてほしい」と声をかけられました。
これを受け、代表の長谷川様は構想を練り、複合商業施設内という立地特性を生かし、ガラス越しに加工の様子が見える設計とし、それで作られた商品を提供する店舗「たべるラボ」を開設することにしました。
上述した図の②乾燥加工工程を内製化するとともに、見える化し、さらに、直接④店頭販売もできる体制に移行することとしました。
この「たべるラボ」は、26年2月27日にオープン予定しており、現在、準備が進められています。
厨房器具の購入資金については、クラウドファンディングを実施し、目標額100万円の目標に対し、1月30日に達成しました。

また、近隣の生徒達を対象とした加工体験などの学習機能も備える予定であり、単なる加工場ではなく、「つくる・つながる・つたえる」という循環型社会の実践の場として位置づけようとしています。
代表の長谷川様は、「規格外野菜は全国どこにでも存在し、農家・学校・地域が隣接する場所も全国に存在する」としつつ、急激な規模拡大ではなく、各地域に同様の仕組みが横展開されることを願っています。
自社運営に必ずしも拘らず、グロバースの取組が、地域主体で再現可能なSDGs実装モデルとして機能することが、長期的な抱負であるとしています。





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