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【SDGsレポート】事業活動を通じて「家族から地域へ、笑顔が広がる社会」の実現を目指します(株式会社ワンスレッド)

1.企業・事業概要

株式会社ワンスレッドは、2010年に創業しました。
代表の半田真哉氏が在籍していたアパレルメーカー(ニット中心)の商品を扱いながら、ジュエリー、アクセサリー、バッグなどのファッション雑貨等に商品ラインナップを拡充してきました。現在は、仕入れも一部あるものの、オリジナルブランド商品の割合がほとんどを占める状況となっています。

主なビジネスモデルは、自社で企画した製品を自社工場を持たないファブレスで製造を行い、その製品を自社サイトで販売する他、百貨店、専門店、ECサイト等に卸しています。

【企業概要】

項目概要
所在地神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台86番1-928号
代表者半田 真哉
設立2010年9月
従業員数2名(男性1名、女性1名)※役員のみ、社員0人
経営理念事業活動を通じて、『家族から地域へ、笑顔が広がる社会』の実現を目指す。
事業内容繊維製品、雑貨品、装身具等の企画・販売・製造
認証等横浜市経済局SBIR,販路開拓支援事業者認定(2017年10月) 横浜知財みらい企業認定(2018年11月) 横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”認証(2021年4月) かながわ治療と仕事の両立推進企業に認定(2021年4月) かながわSDGsパートーナーに登録(2022年6月)
表彰等かながわビジネスオーディション:かながわ産業振興センター賞受賞(2020年2月) 横浜ビジネスグランプリ:入賞、協賛社賞受賞(2020年2月) 第1回日本子育て支援大賞受賞:パパ&ママ140人と考えた理想のパパバッグ(2020年8月) 濱帯が第17回キッズデザイン賞、男女共同参画担当大臣賞受賞(2024年9月)

https://www.one-thread.jp/(株式会社ワンスレッドHP)

2.SDGs取組みの始まり

(1)ジェンダーフリーに繋がる新ブランド「パパコソ」ブランド誕生のきっかけ

2011年に長男を授かった際の経験が、ブランド誕生の出発点でした。当時は「イクメン」という言葉こそあれど、男性の育児はまだ特別視される時代。
そんな中、パートナーの出産後の入院により、半田氏は新生児と二人きりの生活を余儀なくされ、父親としての「やりづらさ」を痛感することになります。

例えば、健診の場で「お母さんを呼んで」と言われるなど親として認められない一方、外で抱っこをしていれば「偉い」と過剰に評価される。こうした周囲の極端で一貫しない反応に、半田氏は強い戸惑いを感じていました。

また、当時は百貨店などの赤ちゃん休憩室(授乳室など)に父親が入りづらい空気もあり、おむつ替えのために立ち入った父親が退室を求められたというニュースが話題になるほど、父親の育児が「特別視」されていた時期でもありました。

(2) 新ブランド開発への着想

精神的に追い詰められた状況の中、半田氏は「せめて持ち物だけでも自分らしく、好きなものを使いたい」と育児グッズを探しましたが、当時の市場には納得できるものがありませんでした。
ネットで「パパバッグ」と検索しても表示されるのは「マザーズバッグ」ばかり。メーカー側も母親が使うことを前提としており、男性向けやユニセックスなデザインは皆無だったのです。

また、新生児との外出に欠かせない粉ミルク、哺乳瓶、調乳用のお湯や水などは、男性用のアウトドアバッグやボディバッグでは収納しきれなかったり、必要なものがすぐに取り出せなかったりと、機能面でも大きな不便さを感じていました。

(3)製品化と市場の確認

これらの課題を解決すべく、第二子が2歳になった2016年、「当事者の気持ちを忘れないうちに」と製品化を決意。
約1年の開発期間を経て、2017年に子育て応援ブランド「papakoso(パパコソ)」を始動しました。

企画段階では主観を排すため、パパ・ママ140人にアンケートを実施。
自身の悩みとユーザーのニーズが合致していることを確信し、同年7月に「理想のパパバッグ」、10月にはパパ専用抱っこひも「papa-dakko」を発売しました。これらの製品は、ジェンダーフリーな育児への貢献が評価され、キッズデザイン賞を受賞しています。

*キッズデザイン賞:パパ&ママ140人と考えた理想のパパバッグ(2018年8月)  

*キッズデザイン賞 奨励賞受賞:パパ専用抱っこひも「papa-dakko」(2019年8月)  

3.経営面におけるブランド開発の意義

新ブランド「パパコソ」の立ち上げには、自身の経験に加え、小規模組織ゆえの強みを活かした明確な経営戦略がありました。

かつて、主力取引先であった工場の撤退により、年間2,000〜3,000万円規模の売上を突如として失うという事態に見舞われました。
この経験から、他社製品の仕入れに依存する経営リスクを痛感し、自社ブランド比率の向上を急務と捉えるようになったのです。

戦略を練る中で半田氏が着目したのは、「小さな会社としての役割」でした。潤沢な予算や人員を抱える大手企業は、その規模ゆえに市場の小さいニッチ分野には、進出したくても進出できないという制約があります。

そこで半田氏は、あえて「父親の育児」というニッチな市場に積極的に注力する道を選びました。大手企業が手を出しにくい市場を耕し、市場を創出することこそが、小規模な会社の果たすべき重要な役割だと考えたのです。

事実、「パパコソ」が市場を切り拓いたことで他社の参入も相次ぎました。
競合の出現により自社の経営環境に厳しさが増した側面はありますが、それは「父親の育児バッグ」という新たな文化が世の中に定着した証でもあります。先駆者として市場全体の活性化を牽引したことは、まさに当初の狙い通りの成果といえます。

4.その後のSDGsへの取組み

同社の活動は、当初からSDGsを意識して始まったわけではなく、あくまで実体験に基づく課題解決と事業の必要性から生まれたものでした。

SDGsとの結びつきを意識し始めたのは、2017年頃のことです。
神奈川県から「男性の家事育児推進コンソーシアム」への参画を依頼された際、他社の事例と照らし合わせる中で、同社の事業そのものが社会課題の解決に直結していることに改めて気づきました。

実際、同社はSDGsという言葉が普及する以前から、男性の育児を支援するNPO法人や地域の支援団体と積極的に連携してきました。
また、横浜出身である半田氏の「事業を通じて地元に還元したい」という想いから、横浜発の地域ブランド「ヨコハマ・グッズ001」の認定を受けたり、地域活動支援センターへ作業を依頼したりと、地域社会との繋がりを大切にしてきました。

こうした長年の活動が、SDGsという国際的な枠組みによって「自分たちの歩みは間違っていなかった」と再確認できたことは、大きな意義がありました。
自社の社会的な存在意義を明確に発信できるようになったことで、外部からの評価も高まっています。これらはまさに、「家族から地域へ、笑顔が広がる社会の実現を目指す」という同社の経営理念を、愚直に実践してきた結果といえます。

5.SDGsに取り組んだことによる効果

同社の活動はもともとSDGsと重なる部分が多く、社会的な普及に合わせて、企業の信頼性を伝えるブランドのアピール材料として活用するようになりました。特に大手モールとの取引や、顧客が安心感を抱く上で大きなメリットとなっています。

ただし、ファッション分野ではデザインや機能性が最優先されるべきであり、SDGsを前面に出しすぎるとブランド価値を損なう懸念もあります。そのため、あくまで「実はこんな取り組みもしています」という、さりげない姿勢を大切にしています。

6.SDGsの取組みに関して現在の方向性について

市場に安価な類似商品が増える中、半田様は「製品の安全性確保」こそが最優先課題であると考え、以下の取り組みを強化しています。

(1)厳格な安全基準「SGマーク」の取得

同社の最新製品は、製品安全協会が定める厳格な「SGマーク」を取得しています。

(2)正しい使い方の啓発と業界連携

SNSの普及により、メーカーが推奨しない誤った使い方が拡散され、事故のリスクが高まっていることが業界全体の課題となっています。これに対し、同社は「抱っこひも安全協議会」に参画。落下事故防止や正しい使い方の啓発活動に注力し、安心・安全な育児環境の普及に努めています。

【画像出典:株式会社ワンスレッドHPより】

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