【SDGsレポート】食・健康・環境のハーモニー」をミッションとして掲げ、食を通じて社会インフラを支えるとともに、地域社会への貢献を目指しています(東京中央食品株式会社)(R7年度 かながわ みんなのSDGs 神奈川県中小企業診断協会賞 受賞)
1.企業・事業概要
東京中央食品株式会社は、1954年の創業以来、病院、高齢者施設、保育園などの福祉領域に特化した業務用食品の製造・販売を行っています。
グループ全体で451名の従業員を擁し、(管理)栄養士42名、調理師83名といった「食の専門家」が多数在籍しているのが最大の特徴です。
単なる食材卸にとどまらず、自社工場(伊勢原工場)での商品開発、献立作成支援、給食業務の受託運営までを垂直統合モデルで展開しています。『食・健康・環境のハーモニー』をミッションとして掲げ、食を通じて社会インフラを支えるとともに、地域社会への貢献を目指しています。


SDGsに取り組むメンバー(東京中央食品㈱から提供)
| 項目 | 概要 |
| 商号 | 東京中央食品株式会社 |
| 本社所在地 | 〒156-0053 東京都世田谷区桜2丁目22番12号 |
| 資本金 | 50,000,000円 |
| 創業 | 1954年9月 |
| 従業員 | 451名(グループ計) |
| 主な事業内容 | 業務用食品の製造・販売、献立作成支援、給食業務の受託運営 |
2. SDGs・脱炭素に取り組んだきっかけ
同社が脱炭素への取り組みを本格化させた背景には、創業以来「当たり前」としてきた配送方法に対する従業員からの疑問の声がありました。
同社は毎日約100台の車両で、衛生管理が最優先される病院や福祉施設へ「食」を届けています。
その際、衛生保持のためのプラスチック袋や保冷用のドライアイスを長年大量に使用してきましたが、SDGsへの関心の高まりとともに、その環境負荷の大きさを再認識するに至りました。
特にコロナ禍を経て、自社の仕事が「命を支える社会インフラ」であることを再認識しました。
その結果、持続可能な社会の実現に向けて、配送品質を維持・向上させつつ環境負荷を低減できる新たな手法の構築が必要だと考えるようになりました。これが、プラスチック袋の削減やドライアイスの全廃といった、既存の物流慣習をゼロベースで見直すカイゼン活動の原動力となりました。
3.SDGs・脱炭素に取り組む目的・目標
同社の取り組みの目的は、環境負荷の低減と経営効率化、そして「期待以上の付加価値」の提供を両立させることにあります。
ビジョンとして『地域の食の未来を支え続ける、人と環境にやさしい企業グループへ』を掲げ、環境への配慮を企業の持続的成長に不可欠な要素と位置づけています。
具体的な目標として、配送工程におけるGHG(温室効果ガス)の直接・間接排出を削減し、脱炭素社会の実現に寄与することを目指しています。
また、フードロス削減に関しても、神奈川県との連携や子ども食堂等への協力を通じて、地域社会と連携した循環型モデルの構築を目指しています。
2026年からは健康経営をさらに深化させ、「ブライト500」等の認定取得を通じて従業員のウェルビーイング向上を図り、人的資本を活かしたSDGs経営を推進することを経営目標の一つとしています。
4.SDGs・脱炭素の取組体制
同社は、経営トップの強いリーダーシップのもと、外部パートナーや地域ステークホルダーと連携した推進体制を構築しています。
物流の現場では、現場スタッフが試行錯誤を繰り返し、ドライアイスに代わる高機能保冷剤の導入や、強アルカリ電解水による衛生的な配送用コンテナ洗浄システムを構築しました。
また、戦略的な提携・協業も積極的に進めています。
• 地域連携: 神奈川県より「かながわSDGsパートナー」の認定を受け、県と連携した取り組みを促進しているほか、地元サッカーチーム「東急SレイエスFC」とのジョブパートナー契約を通じて、アスリートの就労支援という社会課題解決にも取り組んでいます。
• 専門家の知見活用: 管理栄養士を中心とした「専門家集団」が、SDGsとDXを融合させた新たな付加価値向上策の策定に携わっています。
• 専任部署の設置:経営企画室に専任部長を1名配置し、グループとしての社会的価値向上に資する活動を牽引する体制を整えています。



「かながわ みんなのSDGs」において 神奈川県中小企業診断協会賞 授賞式 (取締役 狩野道明)
5.SDGs・脱炭素に取り組んだことによる効果
具体的な取り組みの成果として、配送工程における劇的な環境負荷低減とコスト削減を実現しました。
• プラスチック袋の削減: 配送コンテナに使用していたプラスチック袋をお客様の協力を得て大きく減らした結果、年間で37万枚(約6t)の削減を達成しました。
• ドライアイスの全廃: 年間216t使用していた保冷用ドライアイスを高機能保冷剤へ切り替え、配送品質を維持・向上させつつ自社排出のGHGを大幅に削減しました。
これは杉の木約15,429本分のCO2年間吸収量に相当します。
• コスト管理の実効力: これらの取り組みにより、かつて年間数千万円を要していたドライアイスの使用コストを「ゼロ」にすることに成功し、環境対策が利益創出に直結することを証明しました。
• 社内の意識変革と認定: 2026年度においても「健康経営優良法人」の認定を取得するなど、健康経営の基盤を確立しました。
さらに、「第4回 かながわ みんなのSDGs」において神奈川県中小企業診断協会賞を受賞するなど、同社の活動は対外的にも高い評価を得ています。
6.今後の課題・抱負
同社の次なる挑戦は、現在の強みである「専門性」に更なる価値を追加し、より高度なSDGs経営を実現することです。
現在、製造・調理の現場は依然として労働集約的なプロセスが多く、今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)による需要予測や献立作成をサポートするAIの活用などを通じ、業務工程の効率化と環境負荷の更なる軽減を推し進めます。
また、健康経営についても、現在の「健康経営優良法人」認定から、「ネクストブライト1000」・「ブライト500」へのステップアップを目指し、従業員一人ひとりが働きがいを感じられる環境づくりを進めていきます。
代表取締役社長 狩野憲彰は、これまで課題として認識していた「地域とのつながり」を強化し、「命を支える仕事」の重みを再認識しながら、地域のステークホルダーとともに期待以上の価値を提供し続ける決意を固めています。
今後も「人と環境にやさしい企業グループ」として、持続可能な食の未来を切り拓くと共に、創業100年(2054年)に向けて持続的な成長と価値創造を進めていきます。




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