【SDGsレポート】人・地域・顧客・社会を育み、連携することで、「住み続けられるまちづくりを」の活動を行う (株式会社富士防)
株式会社富士防
人・地域・顧客・社会を育み、連携することで
「住み続けられるまちづくりを」の活動を行う
ホームページ
https://www.fujibow.co.jp/
▮代表 岡田 成煥
▮所在地 横須賀市森崎
▮事業内容 不動産、建築設計、その他サービス
1. 企業概要
「たてものを育む」のスローガンのもと、マンション・ビル等の大規模修繕工事(防水工事他)に取組んでる会社です。本社は、神奈川県横須賀市にあり、東京・横浜・千葉・埼玉に営業所があります。1989年創業で、従業員176名の会社です。適切な修繕を行うことによって建物の資産価値を維持・向上させ、社員を育み、住民の暮らしを育み、地域を育み、社会を育むという活動をしています。会社のロゴは、傘(防水工事、育む)、虹(夢、多様性)、富士山(日本一)を表しています。
2. 具体的なSDGsの取組内容
なでしこ現場監督、なでしこ環境衛生パトロール、なでしこ現場コンシェルジュ
女性が活躍できる場所を広げるため、神奈川なでしこブランド認定制度を利用し、女性が生き生きと活動できる機会を創出しています
防水の職業訓練校
神奈川県下初の防水の職業訓練校を設立し、ベテラン社員から若手社員への、建設現場の技能伝承の機会を創出しています。
産学連携チャレンジプログラム
神奈川経済同友会の産学連携チャレンジプログラムを活用して、専修大学・相模女子大学と共同研究を行う等の活動を行っています。
地域との防災協定締結
横須賀市と防災協定を締結し、台風等の大規模災害で地域が被災した場合の、応急処置、復旧改修等をすみやかに行える体制を構築しています。
アスリート雇用制度・地域のスポーツ団体支援
アスリート雇用制度を導入し、神奈川県で活躍するサッカー、ソフトボールチームの応援をしています。スポーツを通して、働き甲斐の向上、地域の活性化に取り組んでいます。
職業訓練校
産学連携チャレンジプログラム
横須賀市と防災協定
3. SDGsの取り組みを始めたきっかけ
企業数減少に伴う、人口減少に直面している神奈川県横須賀市において事業を営んでおり、本業の持続的発展のため、元々地方創生に強い関心がありました。
ベテラン職人の高齢化、若手社員雇用の困難化が進むことで、建設現場の技能伝承が困難になっていくことを危惧していました。
こうした中、神奈川県のSDGsの諸施策に出会い、共鳴し、研究し、行動を開始したのがきっかけです。
4. SDGs活動の成果
SDGsに取組むことによって、社員のワクワク感が醸成され、社内に活気が漲るようになりました。2023年2月に行われた、日経社歌全国コンテストに、社員が作曲した社歌を発表したところ、準優勝に輝くことができました。
女性の応募者が増加しました(取組前:数名⇒取組後:20名前後)。また、21年9月に開始した職業訓練校卒業生も、2期で27名卒業者を出しました。活動に共鳴していただけるようになったのか、工事の引合件数、契約件数も2割程度増加しました。
5. ステークホルダーとの連携
従業員との連携
女性を輝かせる存在にする、若者に技能を伝承する場を提供する等、従業員を巻き込んで、取組を進めています。「なでしこブランド」「職業訓練校」「社内コンクール」等を実施しています
地域住民・地域社会との連携
神奈川県フードドライブ活動への参加、アスリート雇用制度の導入、地域のスポーツ団体支援等を行っています。地域と共に歩む会社を目指しています。
地域学生・地域自治体との連携
神奈川県内に拠点を持つ大学と、「マンションの長寿命化」をテーマに共同研究を実施、オリジナル防災ブックを作成する等、産学連携プログラムに取組んでいます。
地元横須賀市と防災協定を締結する等、協働・共同・連携を推進しています。
お客様との連携
SDGsへの取組を積極的に情報発信しています。取り組んだ内容を、FM、タウンニュース、神奈川新聞、You Tube等で発信し、取組への理解を深めてもらう活動をしています。
6. SDGsに取り組んでわかったこと・今後の課題
SDGs取組のきっかけは、技能伝承・人材確保にありましたが、SDGs取組を開始すると、SDGsの取組には広がりがあることに気づかされたとのことです。
また、若者達のワクワク感が醸成され、若者達が積極的に取組に参加するようになったとのことです。新しい取組への挑戦だったため、取組への理解を得るための苦労はあったが、神奈川県や横須賀市が様々な取組を理解し、全面支援していただいたことで推進できたとのことです。
今後の課題としては、女性現場監督数を更に増加させたいとしています。また、SDGs登録パートナー同士での連携の可能性も深化させたいとしています。
経済産業省の健康経営優良法人認定にも、チャレンジしたいとのことです。こうした諸活動が、結果として、会社自体の持続的発展につながっていくと考えているとのことです。
(レポート:中小企業診断士 岩松廣行)
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