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【SDGsレポート】驚きと喜びの体験から成長を (合同会社Magical Grow)

合同会社Magical Grow

驚きと喜びの体験から成長を

ホームページ
https://www.magicalgrow.org/

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1. 企業概要

 当社は2021年、代表の斉藤裕子、玉谷圭子、今井一男が設立した小さな合同会社です。主な事業内容としては、SDGs活動の普及拡大を目標に、SDGsボードゲーム認定ファシリテーター講座の開催、SDGs企業教育研修、地域活動イベント、学校教育支援を行っています。「わたしたちは、年齢に関係なく一生成長し続けることができ、その過程はワクワクドキドキしたものであってほしい」、そんなワークショップや講座を作りたいとの思いから、驚きと喜びの体験から成長をめざす「合同会社Magical Grow」という社名をつけました。

図 1斉藤氏(左)と玉谷氏

2. 具体的なSDGsの取り組み内容

図 2ワークショップ風景

 今回「みんなのSDGs賞」をいただいた「海岸フィールドワーク&「海ごみ」を考えるワークショップ」は、神奈川県ならではのSDGs活動とはなんだろうと考えていた時に、やはり湘南や江ノ島といった全国的なブランドを通してSDGsを考えることが大切ではと思ったことがきっかけです。

 それも単に海岸のごみ拾い活動だけではなく、その「海ごみ」がどこから来て、環境にどのような影響を与えるのか、現場+ゲーム体験を通じて行動の変革に繋げたいとの思いからイベントを企画実施しました。企画の段階から地元NPO団体と協働することで充実した体験となり、より気づきを得るワークショップになりました。当日はコロナ禍にも関わらず、地元神奈川県だけではなく、埼玉県や東京都からも保護者同伴で多くの子どもたちに参加いただきました。

3. SDGsの取り組みを始めたきっかけ

 当社は、SDGsの普及拡大を目的に設立いたしました。設立の経緯は、「神奈川県版ふるさとSDGsボードゲーム」の制作がきっかけです。SDGsボードゲームの普及を進める一般社団法人未来技術推進協会の認定ファシリテーターが中心となり、60人規模のメンバーで神奈川県内団体や自治体、企業等のSDGs取組み計106事例を集めてボードゲームを作成しました。
 

図3.神奈川県版ふるさとSDGsボードゲーム

 斉藤は、東日本大震災後に遠野市にあった自社復興推進室に自ら手を挙げて参加し、その時の体験から社会課題解決には行動することが大切だと実感。その後、神奈川県版ボードゲームの制作過程を通じて、組織として活動したいという気持ちが高まり、志が同じ仲間に声をかけました。社会的な信頼を得て責任ある事業として活動するため、法人格を合同会社とし、3人で2021年11月に合同会社Magical Growを設立しました。

4. SDGs活動の成果

 SDGsへの関心の高まりとともに、教育関係、地方自治体等多くの団体様からワークショップの引き合いをいただくことができています。また地元NPOをはじめ、SDGsの活動にかかわっている団体との緩やかな協力関係を通してネットワークが構築され、活動の可能性が広がってきていると感じています。

図4. 神奈川県「みんなのSDGs」受賞式風景

 特に「神奈川県版ふるさとSDGsボードゲーム」を制作する過程で、地元神奈川の多くの団体・企業様を知ることができたことは大きな財産です。やはり知識だけではない実体験での事例、それも地元神奈川での事例であることは、他のSDGs推進団体との差別化であり、私たちの会社を小さくても存在意義があるものにしていると感じています。

 SDGsの普及を目的としている当社のような会社は、他社との競合という意識があまりないため、他の団体とも協力関係を結びやすいのが特徴かもしれません。今回、賞をいただいたワークショップも、わたしたちだけではできなかったものが地元のNPO団体と協力することで実現した成果であると考えています。

5. SDGsに取り組んでわかったこと 

(a) 中小企業における本業を通したSDGs活動の難しさ
 行政機関や教育機関で様々なセミナーやワークショップを行ってまいりました。しかしながら、SDGsは世の中で言葉として普及はしていますが多くの中小企業にとっては、言葉は聞いたことがあっても「何から取り組めばよいのかわからない。うちには必要ない。」など、理解がされていない活動なのだと実感しています。

図5. セミナー風景

 実際にセミナー等で中小企業経営者の皆様とお話しすると、「SDGs経営の理念はわかるけれど、やはり目の前の収益が優先される」とのお声もいただきます。中小企業が無理なく、企業価値を高める取組みとはどんな活動なのか。その回答を見つけることが現在の課題です。中小企業経営の現場に入り込み、実際の経営現場で経営層の皆様と共にSDGs活動の普及を図ること。現在は、いろいろなネットワークを使ってそのノウハウを蓄積しているところです。

(b) 他組織との連携強化
 他組織との連携強化ももう一つの課題です。前述のように、私たちには競合他社という考えがあまりなく、むしろどう連携するかを考えています。たとえば当社に足りない知識やリソースを、他の組織の力を借りて解決することにも積極的に取り組んでいます。お互いに困っていたら助け合うということもよくあることです。SDGs活動において様々なステークスホルダーとの連携は最も重要視されている考え方でもあります。一社ではできないことも、パートナーと連携することで強靭な基盤づくりができると思っています。今は柔軟な発想で、お声かけいただいた方々と一緒にSDGsを普及させることを優先している段階だと思っています。

6. 今後さらに取り組みたいこと 

 神奈川県の中小企業の皆さんが本業の中で気軽に取り組めるような、そんなSDGs活動を企画実施していきたいと思っています。わたしたちは現在、神奈川県下を中心に活動をしています。「かながわSDGsパートナー」、「ふじさわSDGs共創パートナー」に登録しています。神奈川県では「みんなのSDGs賞」を受賞したほか、3月にはふじさわSDGs共創パートナー第一回交流会にて、神奈川県版ボードゲームを使ったワークショップを実施する機会をいただきました。

 多くの参加者(企業、団体、市役所職員の皆様)から、「SDGsとは1つのことだけ取組めば良いのではなく、経済、環境、社会の枠組で考えることが必要だと体感できた」との声が聞かれました。昨年度は私立高校にて教職員研修を実施する機会もあり、今年度以降もさらに教育研修事業に力を入れていきます。今回受賞した海岸フィールドワークを取入れたワークショップも継続して実施したいと考えています。

(終わりに)

 斉藤さんは、「私は考えて動くのではなく、走りながら考え、しなやかに対応していきたい。」とおっしゃっていました。その言葉どおり、更なる躍進が期待できると確信しています。
(レポート:中小企業診断士 竹本正人)

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