【SDGsレポート】キレイで、人に、社会にキラメキを(株式会社 ボイス)
株式会社ボイス
キレイで、人に、社会にキラメキを
ホームページ
https://www.bois.co.jp/
1. 企業概要
当社は、1972年創業で「社会に有益なサービスを提供するこ
とで、企業の発展・永続を図ります」との経営理念のもと、主に
大型商業施設や病院に清掃・設備管理・施設警備サービスを提供
しています。
創業以来50年を超える経験の蓄積とITを駆使した独自システムで、北は北海道から南は九州まで1,000か所以上のお客さまに、清潔で快適な空間を提供することはもとより、院内感染予防など高度な環境価値を創出し、目立たないながらも施設を利用するすべての人たちの安全・安心を支える事業を行っています。
2. 具体的なSDGsの取り組み内容
- 心身ともに健康になろう
SDGs目標3(すべての人に健康と福祉を)、8(働きがいも経済成長も)、4(質の高い教育をみんなに)
当社のサービスは約4,600名の社員・パートナーによって提供されています。笑顔での挨拶やよりスキルを高めようとの意欲は、心身の健康がなければ生まれません。また、日常業務を円滑に進めるためにはチームワークが不可欠です。チームワークを発揮するには、お互いを認めあい、共感する「心の健康」が必要です。当社では、働く仲間が感謝の気持ちを伝えあい、褒めあう文化をつくるため「ありがとうメッセージ・THANKS GIFT」という仕組みを取り入れています。仲間同士のコミュニケーションを活発化し、GIFTはコインという形で見える化できます。また、現場教育には、独学にも対応できるよう動画を用意しています。
さらに、すすぎ作業を解消し社員の負荷を軽減するため、当社が製造しているナノウォーター(アルカリ電解水)を使用したフロア清掃の割合を増やすことにも取り組んでいます。
- 働きがいのある職場を作ろう
SDGs目標1(貧困をなくそう)、5(ジェンダー平等を実現しよう)、8(働きがいも経済成長も)17(パートナーシップで目標を達成しよう)
当社では多くのシニア・シルバー世代の方々が活躍してくれています。これらの皆さんに経済的な基礎を提供することに加え、これまでのキャリアを活かしていただくため、70歳を超えた社員の中から優秀な人を後進の指導役としてマイスターに登用しています。マイスターは現役世代のロールモデルという役割りも担っています。
また、障害者雇用にも積極的に取り組んでおり、2022年にはこれまでの取り組みが評価され、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から表彰を受けました。
さらに当社で働く方々の7割以上が女性という特質から、女性活躍推進法等による一般事業主行動計画を策定し、妊娠や子育てしやすい環境を整備するとともに、SDGs目標17のグローバル・パートナーシップに協力するため、独立行政法人国際協力機構のジェンダーボンドへの投資を通じて、女子教育、防犯カメラ・女性用トイレの設置などジェンダー平等の実現にも取り組んでいます。
- 地球を守ろう
SDGs目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、11(住み続けられるまちづくりを)、13(気候変動に具体的な対策を)、14(海の豊かさを守ろう)、15(陸の豊かさも守ろう)
一般的にビル等の清掃では合成界面活性剤等を含む洗剤を使用します。これらの廃液を下水処理場で処理するには多くのエネルギーを必要とします。そこで当社はナノウォーターを積極的に使用しています。ナノウォーターは普通の水に戻るので、海や陸の環境に悪影響を与えません。さらに、長期間剥離作業(床に塗られた古いワックス材等を剥がす作業)が不要でキレイを維持することができるウルトラフロアケアを導入することで、地球環境の維持に取り組んでいます。
3. SDGsの取り組みを始めたきっかけ
お客さまから、大きな視点で環境に良い活動や社会課題の解決に取り組んでいないのか?との問いかけを受けたことがきっかけでした。それまでは、いわば対症療法的に目の前にある問題に取り組むという姿勢でしたが、お客さまとの対話や入札のプレゼンテーション等の機会にこのような問いかけを受けたことで、2021年にSDGs推進室を設けて取り組みを始めました。
4. SDGs活動の成果
主要事業である清掃業務は、キレイになることが当たり前の仕事です。ですからどうしてもキレイになっていない部分を指摘するという「ダメ出し文化」が定着していました。
このような「ダメなこと」をした人が目立つ文化のなかで「心身ともに健康になろう、働きがいのある職場をつくろう、地球を守ろう」という3つのサスティナブルビジョンを掲げてSDGs活動に取り組んだ結果、社員の意識は大きく変わったと感じます。これまで社内で自己満足的に取り組んできたことを、お客さまに「なぜ自分たちがこれをしなければならないのか」を説明し理解していただけるようになりました。SGDsの目標と自分たちの仕事を結び付けることで、自分たちの存在価値を改めて確認でき、「ダメ出し文化」から自己肯定感のある文化に変わりつつあることが一番大きな成果だと思います。
5. 実際に取り組んでわかったこと
SDGsに取り組み始める前は、経営者の思いを押し付けては社員の負担が増すだけではないかと心配でしたし、取り組みの初期は上手く進みませんでした。しかし、お客さまの反応、社外表彰、かながわSDGsパートナーへの登録、取材など当社の活動が取り上げられることが増えるにつれて、社員の意識が予想以上に高まりました。これまでは当社を知っていただく活動を積極的にしていなかっただけに、社外の影響力の大きさに驚かされました。
また、SDGsの目標と自社の業務との関連も重要です。社員一人ひとりが、なぜ自分がこの目標に取り組むのかを理解し共感してくれなければ自分の課題になりません。清掃という仕事は、社員個人の意識に依る側面があるので、ここを重視し全員を巻きこむことに努力しています。
加えて、SDGsの取り組みは継続することが大切だと考えています。コストが高く、負担が重いと継続できません。経営者として、費用対効果のバランスを取りながら進めることが大事だと思います。
思いがけない効果としては、当社がSDGsに取り組んでいることを知って応募してくる学生さんが増えたことです。今の学生さんは、SDGsに取り組んでいる企業を選ぶことが事実として理解できました。
6.今後の課題・さらに取り組みたいこと
事業の中にSDGsをさらに溶け込ませることが課題だと考えています。また、当社単独の取り組みでは効果に限度がある部分もあります。より効果を高め当社にもメリットがあれば、他社とのコラボレーションも検討したいと思います。
SDGsへの取り組みをきっかけに、未来の課題に挑戦し、失敗することもあるかもしれませんが、変化を起こし「社会に有益なサービスを提供することで、企業の発展・永続を図ります」との経営理念を実現していきたいと思います。
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