
コンサルティング・ノウハウ 『鳥生式3層2段フレームワーク®』 のご紹介
はじめに
経営コンサルタントとして企業診断を行うためには、知識、スキル、態度の3つの要素について、プロとしてのビジネス能力を備える必要があります。このうちスキルについては、ノウハウをもつことが有効であり、ノウハウを形式知化したものとして「フレームワーク」があります。
本稿では、経営課題の解決策を体系的に考えるために筆者が開発した『鳥生式3層2段フレームワーク®』の概要をご紹介します。
このフレームワークは、企業全体の経営課題をトップダウンで構造化して捉えるための『3層フレームワーク』と個別の経営課題とその解決策をボトムアップで論理的に考えるための『2段フレームワーク』で構成されます。『2段フレームワーク』を使って経営課題や解決策をボトムアップでつなぎ合わせ、『3層フレームワーク』に当てはめることにより、企業全体の経営課題をバランスよく整理します。

<プロフィール>
・2011年 診断士登録&神奈川県協会入会
・認定支援機関(個人)
・ITコーディネータ
・PMP、DAC、PMI-ACP、PMI-PBA、PMI-RMP
・職歴:製造業(東芝)、IT業界
3層フレームワーク
3層フレームワークは、第1層、第2層及び第3層で構成されます。
第1層は、バランスト・スコアカード(BSC)の考え方を採用し、6個の要素(財務(稼ぐ)、市場(拓く)、販売(売る)、生産(創る・造る)、組織・人事(育む)、IT基盤(築く))を因果関係で結びます。第2層は、第1層の6個の要素をそれぞれドリルダウンし、複数の原因要素と結果要素の組み合わせをマトリクス(縦軸×横軸)として表します(下表を参照)。

第3層では、第2層の原因要素と結果要素の組み合わせで特定された論点ごとに、ミクロな調査、検討、整理等を行います。この層の中身は定型化されたものではなく、日々の研さんで深まる情報・知識・知恵の引き出し(リポジトリ)であり、診断士として差別化が図れる部分になります。筆者の経験に基づく整理はありますが、ここでは説明を省略します。
2段フレームワーク
2段フレームワークは、第1段及び第2段で構成されます。
第1段は、「なぜ(Why)」と「だから何なの?(So what)」の連鎖を整理し、課題を抽出します。第2段は、課題解決策の案について、4つの属性(具体性(アクションできるか)、実効性(効果があるか)、実行性(できるか)及びリスク耐性)を具備しているかどうかを検討(テスト)します。
鳥生式3層2段フレームワーク®の適用例
神奈川県内中堅都市ビジネスホテルの新規事業展開(筆者が過去に実施した診断・助言に基づいてケースを作成)について、『鳥生式3層2段フレームワーク®』を適用した例を下図に示します(診断・助言の一部のみを表示)。
この例では、3層フレームワークで設定した「和風の演出企画」という課題について、2段フレームワークで「厚木・丹沢の観光バスツアー(日帰り)を企画」という解決策を細かく検討しています。

《参考》更に深掘り…
本稿でご紹介した『鳥生式3層2段フレームワーク®』の詳細については、YouTube動画配信等で解説していますので、ご覧ください。
また、現在、生成AIを活用した『鳥生式3層2段フレームワーク®』の効率的な適用に取り組んでいます。

【鳥生英俊】
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