
【SDGsレポート】工業製品を「資源」と捉えてリサイクル・アップサイクル(舞岡フォーム株式会社)
舞岡フォーム株式会社


ホームページ
https://www.maioka.co.jp/
1. 企業・事業概要
舞岡フォーム株式会社は、1962年(昭和37年)の創立以来、60年以上ウレタン端材を中心としたリサイクル製造・加工・販売を行ってきました。
きっかけは工場の廃材に関する協議をする中、当時は特に「再生」や「廃材利用」などの社会的ニーズはない中、事業を通じて発生する廃税の有効利用に着手。様々は廃材の配合の工夫、粉砕サイズ、圧縮の調整などで様々な再生フォームを製造してきています。これまで3千台以上の各種金型設計を行ってきた経験があり、金型設計や型技術に強みを有しています。

現在同社で製造されているフォームは自動車等に使用されており、国内外の高級車にも採用されています。自動車においては、屋根・ドア・床の吸音材、ほどよい弾力感のアームレスト、シートベルトの固定ユニットの内部など、あらゆる箇所に導入されています。


自動車部品以外では、「スポーツ施設用の枕」、「座椅子のクッション」、「高級ベッドの一部」など、気がつかないところで同社の資材が使われています。


企業理念は「循環型社会への貢献」であり、工業製品を大量に生産・消費し、そして大量に廃棄する経済システム、これまで「廃棄物」と捉えていた使用後の工業製品を「資源」と捉え、リサイクルすることで資源を循環させる仕組みづくりに貢献します。
項目 | 概要 |
所在地 | 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町2949 |
創立 | 1962年7月15日 |
資本金 | 1,200万円 |
従業員数 | 39名 |
企業理念 | 「循環型社会への貢献」 |
ステイトメント | 「挑戦」と「創造」 時代の変遷に伴い必然的に変わるニーズに対して、常に挑戦し続け、ものづくりの醍醐味である「より良いモノ、新しいモノ」を作っていくという考え。 |
事業内容 | リサイクルウレタン(チップウレタン)製品等の製造・加工・販売 |
主要設備 | 粉砕機7基、撹拌機5基、成型機32(ブロック成型機2基)、乾燥炉1基、 平面スライサー1基、バーチカルカッター2基、アングルカッター1基、裁断機1基、 熱プレス1基 |
2. SDGsや脱炭素に取り組んだきっかけ
同社は1962年の創立以来、端材を捨てるのがもったいないとの思いから、60年以上ウレタン端材を中心としたリサイクル製造・販売・加工を行ってきた経緯があり、SDGsという言葉が生まれた2015年のはるか昔からSDGs・脱炭素にかかる取り組みを実践してき会社であると言えます。
今日では、ウレタン以外の材料(衣服や木等)についてもSDGsに興味関心のある企業様から相談され製品化するなど、更なる業容拡大を図っています。
<脱炭素とアップサイクルの関係>
脱炭素社会の実現にはアップサイクル(捨てられずはずの物に新たな価値を与えて、再び使えるようにすること)は重要な役割を果たします。本来廃棄する際にかかるエネルギー等を減らすことが可能となり、結果的にCO2排出量の削減につながります。
同社が実施しているアップサイクルは、単に廃棄物を減らすだけでなく、新たな価値を創造し、脱炭素社会の実現に貢献する、持続可能な社会への重要な一歩となっています。
3. 脱炭素に取り組む目的
同社はSDGsという言葉が出来るまでは、これまで通り、ウレタンチップを扱う企業でしたが、昨今は、各企業様でSDGsの取組としてさまざまな廃棄物を減らしたいというご相談も多く、弊社の製造技術を利用し、その支援をしたいという考えです。
例えば、衣服の廃棄問題としては、現在、日本では年間約52万tもの服が捨てられています。廃棄された衣服のほとんどは、埋め立てや焼却によって日々処分され、その際、排出される温室効果ガスは、地球環境に多くの負担をかけている状況です。

上記の図の通り、2020年の情報ではあるが、約63%(51.2万t÷81.9万t)は廃棄されている為、こういった環境問題の解決に向けて、弊社のアップサイクル技術を活かす事が目的となります。
<各種アップサイクルした一例>



4. SDGs・脱炭素の取組体制
役員含め営業・技術メンバー3名が新製品に係るSDGs・脱炭素に取組んでいます。経営理念にも繋がっている取組ですので、役員自ら参画しております。
また、従業員に対しても普段の作業内容がSDGs・脱炭素に繋がっていることを定期的に説明する事で社会貢献の意識を向上させています。
5. SDGs・脱炭素に取り組んだことによる効果
同社は各企業様より様々な案件の相談を受けてきましたが、主に衣服のアップサイクルに係る製品化が進みました。同社は技術提供である為、販売会社は別となりますが、「NURUDENIM」というデニムの端材を使った壁材の製品化に協力し、2024年10月にTBS番組「Nスタ」にて当該製品の協力工場としてTV撮影を受けました。撮影時には俳優の「小泉孝太郎」さんがSDGs大使として来社されました。
「NURUDENIM」の販売会社である日本エムテクス株式会社(東京都世田谷区、インテリア雑貨の製造販売会社)から注文を受け、同社にて製造の一部を担います。
「NURUDENIM」を施工した空間は、その鮮やかな色づかいにより気品に満ち、落ち着いたシックな空間を演出することができ、さらに「排出されたデニム端材」⇒「アップサイクル」⇒「リユース」というきれいな循環が可能となります。

6. SDGs・脱炭素に取組みに関して今後の課題・抱負について
昨今、ウレタン以外の様々な廃棄物のリサイクルの依頼が来ており、試作等積極的に行う中で、製品化するモノもありますが、残念ながら製品化に繋がらないモノも出てきております。
その中で、同社としては、技術的にもっと出来る事がないか、製造方法の工夫を試行錯誤しながら行って、可能な限り各企業様のニーズにあった製品製作を目指して参ります。
引続き、事業を通じてSDGs・脱炭素へ取り組む企業様を支援し、社会貢献をしていきたいと思います。
以上
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