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連載企画 バックオフィスを変える小さな改善 (3) 既存ITツール、十分使えていますか?

1.既存ツールの有効活用が見逃されている?

多くの中小企業では、バックオフィス業務で様々なITツールを導入しています。これらには業務を支援する機能が多数搭載されています。また組織内には効果的に利用するノウハウを持ったメンバーも在籍していることでしょう。しかし、有益な情報が組織で共有されていないケースも見受けられます。

私は所属組織でITツールやシステムのユーザーサポートを行っています。その中でちょっとした活用方法を助言すると、「手作業の繰り返しをツールで置き換えてミスが減った」「便利機能がこのツールにあったんですね」と喜んでいただけることがあります。次章2で挙げる悩みの例は、「基礎的なリテラシーレベル」と思われる方もおられるかもしれません。しかしながら意外にも、隣の方はご存じない、業務多忙で手が回らず利用できていなかったということがあるのです。

2.ユーザーを巻き込んだ社内での知識共有と勉強会の開催

既存のITツールを最大限に活用するための明日からできる取り組みの第一歩として、社内報での知識共有や社内研修での勉強会を紹介します。活用度の高いメンバーのノウハウを共有することで、全体の業務効率が飛躍的に向上します。私の所属組織では、5名前後の小集団で30分程の勉強会を実施しました。効率が悪いと感じる作業を挙げてもらい、相互に助言する形式です。「○○作業に時間がかかる」との悩みに対し「△△機能を使えば簡単!」「InstagramやYoutubeでの勉強がお勧め」といった声が飛び交いました。主催者の負担も小さく気軽な情報交換の場でしたが、参加者の満足度も高く具体的な改善活動に繋がりました。

3. 勉強会開催時のポイント

(1)アイデアも悩みも大切にする

ITツールに対して苦手意識を持っているメンバーがいるかもしれません。しかし、彼らの不安や疑
問を把握することは、誰もが使いやすい運用や設定の重要なヒントとなりえます。後ろ向きに聞こ
える場合もある意見にも耳を傾け検討することが、結果的に”みんなが使いやすい”ツールの実装に
繋がることもあるのです。その為にも、勉強会や改善活動を和気あいあいと進められる雰囲気作り
が大切です。小さな改善の成果が出るとメンバーの改善意識が芽生え、更なる改善へと繋がります。

(2)改善活動を急ぎすぎない

情報共有が活発になると様々なアイデアが出ることもあるでしょう。しかし、急激な運用変化は
業務遂行に混乱を招く場合もあります。できる範囲で、優先度をつけて段階的に改善を進めること
が重要です。更に影響範囲の広い運用や設定、ルールを変更する際には、周知と浸透が非常に重要
です。必要に応じてマニュアルや説明会を実施する必要もあります。

4. まとめ

基本的なツールでも、全メンバーが使いこなせるようになると、業務全体の効率化が進みます。基幹業務を支えるツールやシステムであれば、効果は更に期待できます。

その際、ツール管理者のアクションも重要です。ITツールやシステムは導入時のまま使い続けられることも多くあります。しかし業務や働き方の変化に伴い、設定や機能が現状に合わなくなっている場合もあります。昨今では、クラウドサービスの伸展により、設定変更が容易になり、機能追加のスピードが上がっています。組織メンバーの声を反映し、定期的に柔軟に設定を見直し、機能の再評価を行うことが既存ITツールの効果を最大限に引き出す鍵となります。
まずは社内での勉強会や情報共有を進め、業務改善を図っていきましょう。

【高木 明日香】

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