連載企画 伴走型支援・補助金支援のポイント 第1回
今年度、「事業再構築補助金」という新たな補助金が登場し注目されております。
事業者様より支援依頼の機会を頂き、事業計画書の策定支援や添削から事務的な準備の支援(電子申請の入力サポート、必要書類の準備等)まで携わってきました。これから、複数回に渡り、実際に私が経験したことから補助金支援の際のポイントを紹介していきます。
必要なのは経営者と一緒に取り組む姿勢:「伴走型支援」
診断士が1人でどんなに素晴らしい計画書を作り、採択されたとしても、実行するのは経営者であることを忘れてはいけません。実際、客観的に計画書を読んだ時に「果たして、本当にできるのか? 社内の体制や課題がちゃんと書かれていない」という場合があります。社内の体制やその会社にとってのミクロの視点での外部環境等、必ず診断士だけでは分からない要素があり、やはり経営者と一緒になり計画書を作ることが採択後のことも踏まえて何よりも大事なポイントです。これを、私は「伴走型支援」と定義し、常にこの姿勢を忘れずに支援しております。
「伴走型支援」で求められる「御用聞き」の姿勢
経営者に伴走して取り組むためには、当然、信頼関係が求められます。信頼関係を構築するためには、単に協力して下さいと伝えるのではなく、何かあった時には遠慮なく相談して下さいと、適宜伝えてそれに応える姿勢(御用聞き)がポイントです。例えば、補助金を申請するためには、事業計画書を作ること以外に電子申請の入力、必要書類の準備、認定支援機関への依頼等、多岐に渡ります。
実際に動いて頂くのは経営者のことが多いですが、必ず疑問や悩みが出てくるはずです。その際、「事務局に確認して下さい」と言うのではなく、診断士が主体となり事務局に確認して応える、経営者と一緒に動く姿勢が、信頼関係を築く第一歩になります。
計画の策定・共有が「安心感」に繋がる。
締切間際になり、必要書類が足りないと分かり焦る、事業者様にも迷惑を掛けてしまう恐れがあります。それを防ぐため、まず最初に申請までの予定を策定・共有することが必要です。(下図は私が実際に策定した予定表です。)
特に、事業者様に協力頂きたい部分は具体的に分かるようにし、適宜依頼することで、負担の分散にも繋がり計画的な準備ができます。全体の計画があれば、今どの段階であるのかお互いに進捗確認もでき、何か変更があった時にも協力しやすいかと思います。逆に計画が無い場合、今の進捗が分からず、予定通り進んでいるのか事業者様にも共有できず、締切が近くなるに連れて不安にさせてしまいます。不安な状態で、締切間際に追加で必要書類を言われた時、どのような思いを抱くか、想像できることでしょう。こうならないためにも、全体の計画を策定し共有することが、事業者様の「安心感」に繋がります。
まとめ、次回の予告
これからの連載に当たり、今回はテクニック的な部分ではなく、それ以前の部分で「伴走型支援」の形や姿勢面を中心に紹介しました。次回は、事業計画書を事業者様と一緒に作る上で考えるべきポイントを中心に紹介していきます。
【金谷 浩司】
この記事へのコメントはありません。