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(連載企画)中小企業診断士なら最低限知っておきたい!広報PR支援の方法 第2回

中小企業診断士として最低限知っておきたい広報PRメソッドについて、4回に渡って解説する連載。2回目の本稿では、プレスリリースのポイントについて解説します。

会員の皆様も、支援先から「プレスリリースってどう書けばいいの?」と質問された経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか。筆者は中小企業を中心とした広報PR代行事業を行っておりますが、プレスリリースは月に最低数本は書いています。プレスリリースはたったA4 1枚ですが、そこから取材依頼につながる大事な書類です。「取材がくるプレスリリース」は書くポイントが定まっておりますので、コツをつかめば誰でも書くことができます。

●プレスリリースはA4 1枚でよい

プレスリリースを初めて作るときは、伝えたいことが多すぎて「あれもこれも」詰め込んだ結果、数枚に及ぶリリースになりがちです。しかし、記者達は大変忙しい人です。プレスリリースはあくまでも「取材」のきっかけにすぎず、必要最低限のことを完結にまとめることが重要です。したがって、プレスリリースはA4 1枚、補足情報をつけても2枚程度までに収めましょう。

●「WHAT」プレスリリース冒頭〜「誰が」「いつ」 「どこで」「何をするのか」を完結に書く

プレスリリース冒頭には「誰が(WHO)」「いつ(WHEN)」「どこで(WHEN)」「何をするのか(WHAT)」を端的に書きます。この内容がリリース冒頭にないと、記者たちはこれが何のリリースなのかわかりません。

●「WHY」は「社会をよくしたい」という思いやデータを書く〜補助金で書く「社会の情勢」情報の視点が役立つ

次は「WHY」を書きます。前回解説したとおり、新聞やTVを始めとした記者達は、「情報伝達を通じて社会をよくすること」に高い使命感を持って働いています。したがって、プレスリリースでは「この商品/サービスが社会に役立つ、社会をよくするもの」であることを説明して理解してもらう必要があります。ここでは「社会の現状」や「なぜ当社がやるのか」といった内容を端的にまとめて記載し、リリース内容と社会課題との繋がりを説明します。

ここで、中小企業診断士の知識が役立ちます。皆様が補助金の申請書作成を支援する際、「なぜこの商品/サービスが求められているか」ということがわかる、政府等が行った公的調査データを引用すると思います。診断士であれば中小企業白書を利用することが多いのではないでしょうか。プレスリリースでもこの視点は同じです。リリースする内容を「なぜやるのか」という点の説明として公的調査などからデータを引用することで「このような社会課題があるから、これをやっています」という「WHY」の部分を、客観的な視点とともに説明することができます。

●プレスリリースはタイトルが命〜yahooニュース等を参考に目を引くタイトルを考える

大変忙しい記者達は、プレスリリースのタイトルを見て、そのあとの本文を読むかどうかを決めるといいます。私自身も、プレスリリースを書く時に一番時間をかけるのが、このタイトルです。ただ何もヒントが無ければ、目を引くタイトルは作れません。そこでyahooニュースなどで「この題材のニュースはどのような見出しとともに報じられているのか」をチェックします。同じことを取り扱っていても、言葉選びが少し違うだけで「記者(そしてその先の読者)が読みたいと思う」情報になるかどうかが大きく異なってきます。

●写真のポイント〜取材をしたときの様子がわかる写真

タイトルの次に重要なことは、写真選びです。プレスリリースでは通常2~3枚の写真を掲載しますが、この写真選びの手を抜いてしまう方もいらっしゃいます。プレスリリースの写真について、記者たちは「取材したらどのような絵=写真や映像など」が撮れるのかを見ています。特にTVにアプローチしたい場合はここが最重要ポイントです。記者たちがどのような情報を求めているかを先取りし、「取材にお越しいただけたら、こんな写真や映像が撮れますよ」という情報を、写真を通じて説明しましょう。

次回は、作成したプレスリリースを記者に届ける方法の一つである、記者クラブについて解説します。

【米澤 智子】

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