連載企画第2回「最近の診断士試験を覗いてみました!」2020年診断士一次試験結果から
今年の中小企業診断士一次試験は、例年とは異なり7月実施されました。直前までコロナの影響で開催が危ぶまれていましたが、受験生への本年度試験を受験しない場合の救済措置も発信されていました。
結果、昨年と比較すると、受験者数は3,764人減少しましたが、合格者数は561人増加しました。合格率は、42.5% と、平成13年の合格率51.3%に次ぐ高い合格率となりました。
下記表は、一次試験のH13年から本年までの申込者数、受験者数、合格者数、合格率の推移です。
出典:一般社団法人 中小企業診断協会HPデータを一部抜粋
受験申込者数は、本年度はやや減少しましたが近年まで概ね増加傾向が続いていました。しかしながら、実際受験する人は、申込者数の約7割程度で推移し、受験棄権者数は増加傾向が続いています。そして特に本年は、受験日程の変更やコロナの影響が大きく、申込者の約半数の受験者数となりました。
一方、合格者数はH28以降の直近5年間、増加の一途をたどっています。そして、本年は5,005人と過去最高の合格者数となり、合格率も急激に上昇しました。統計ではこのような傾向ですが、受験生個人にとってはいつも大事な場面で濃淡は無いと思います。毎回が真剣勝負で、その1回がとっても大切な日にかわりはありません。
昨年合格した私の場合は、診断士登録後も昨年の今頃は何していたか?とふと考える事があり、また1次や2次の試験日前後は何だか不安な気持ちになります。合格者の皆さんは如何でしょうか?
受験会場があった地域には、何となく足が向かないとかはないでしょうか? 難しい試験だったため、私は受験生時代大変でした。その名残があるのか、新米診断士にとって受験生時代を良い思い出にするには、まだまだ時間がかかりそうです。さすがに、今は夢で魘されることはなくなりました。
最近は、来年の一次試験向け教材編集協力をしている場面で、受験生の声を聴き胸がキュンとなることも増えつつあります。そんな場面では、ZOOM等を通じて会話をしつつ、何とか頑張って欲しいと願うばかりで、中々手出し出来ない歯がゆさを感じたりもしています。診断士の皆さんの周りにも、隠れ受験生や悩み多き方々が、ひっそりと傍にいらっしゃったり、それとなく相談に来たりしているのではないでしょうか?
さて、本年の2次試験筆記は10月25日、面接は12月頃開催予定と、こちらは通年通りの実施のようです。次回は、2次試験の状況をお伝えできればと思います。
【仲田 香織】
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