協会活動のご案内

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 会報
  4. 連載企画 伴走型支援・補助金支援のポイント 第2回

連載企画 伴走型支援・補助金支援のポイント 第2回

 『伴走型支援』による補助金支援を行う上で、事業者と一緒に考えるべき具体的なポイントは何か、今回は説明していきます。私は普段、関西圏の金融機関に勤務しており、社内で『補助金マイスター』として職員向けに補助金勉強会の開催、取引先の事業計画書の添削を行っており、この経験に基づき、紹介していきます。

新規事業のニーズ、マーケット市場の説明はマクロ・ミクロの双方で検討

 どれだけのニーズがあるのか、計画書から客観的に納得してもらうことで将来の売上増加の裏付けとなります。その際に必要になるのはマーケット市場のデータとなりますが、それらしいデータをただ引用するだけでは説得力に欠けるリスクがあります。まず大事なことはマクロ・ミクロの視点で分けて考えることです。マクロの視点とは、マーケット市場全体でニーズがあると裏付ける資料であり、例えば各種統計データ等がその1つです。ただ、これだけでは「この会社自身にどれだけ影響があるの?」と疑問を抱くことでしょう。もう1つ大事なことは、ミクロの視点で自社にとってもニーズがあると説明することです。例えば、取引先や新規営業先から具体的にこのような要望があると説明することが挙げられます。また、顧客向けに独自にアンケートを実施するのも有効な手段です。

新規事業の課題・リスクの抽出、対策までしっかり検討

 新たな事業が市場ニーズもあり将来売上が見込るというプラスの側面ばかりではないはずです。
どんな事業であれ、課題やリスクがあり、そのリスクをどれだけ抽出できるか、加えてその対策を検討できているのか、ここがポイントになります。
例えば、新しい機械を導入して新製品を製造する場合、単に機械を導入するだけでなく、新たな技術力の構築、生産性の向上、専門人材の確保等、製造面で多くの課題があります。加えて、販売面でも販路拡大をどう図るのかという課題が必ず出てきます。こうした課題に対して、事業者の方と一緒に伴走して考えていくことがポイントになります。 実際に動いて頂くのは経営者のことが多いですが、必ず疑問や悩みが出てくるはずです。その際、「事務局に確認して下さい」と言うのではなく、診断士が主体となり事務局に確認して応える、経営者と一緒に動く姿勢が、信頼関係を築く第一歩になります。 

要件に沿った収益計画・裏付けとなるエビデンスを検討

 補助金申請に際して、一定の売上高や付加価値額の増加が求められます。要件に従い、数値計画を作ることは確かにできますが、大事なポイントは果たして本当に実現できるのかということです。具体的に今後、これだけの販売数量が見込めて売上高が伸びていくというストーリーになりますが、売上高が伸びていくという話のエビデンスが確からしいか否かは、先程説明した通り、新規事業の課題・リスクの抽出、そして対策までしっかり検討できているかどうかに関わります。

本日のまとめ

 今回は、『伴走型支援』による補助金支援を行う上で大事なポイントを3点紹介しました。今回紹介した内容について、診断士として経営者と一緒に伴走して作り上げていく姿勢が重要です。1歩1歩、経営者と一緒に寄り添う支援を行う際、今回の記事を参考にして頂ければと思います。

【金谷 浩司】

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

活動のご報告