協会活動のご案内

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 会報
  4. (連載企画) 中小企業が知っておくべき組織作り連載企画 第2回

(連載企画) 中小企業が知っておくべき組織作り連載企画 第2回

前回の連載では、中小企業の組織に関する実態として、組織作りに対して無策であると会社の組織はダメになっていく内容の掲載を致しました。中小企業の多くは実態として、成長段階で仕事が増えると目の前の仕事をいかにこなしていくかに注力せざるを得ない状況となります。その為、単純に人を増やすことが優先され、会社としての組織作りは後回しになりがちです。

結果、社員間の仲が悪くなり、マネジメントを理解しない形骸的な中間管理職が生まれる傾向が見られます。若手社員に対する教育内容は実務面だけ、しかも見よう見まねで覚えるといったケースも見られ、悪循環が恒常化していきます。若手社員は最初必死でも、1年経過した頃には何も成長できていない自分と会社に嫌気が指し、より成長できる環境を求め退職していくことは日常茶飯事です。時にはそうした社員に対し、うちの社風には合わなかった、ヤル気が足りないなどと間違った見方をする事も。

そのような実態を改善していくには、組織定義と定義に沿った基礎教育が必要となります。基礎教育とは若手社員への導入教育、次のリーダーを育成する管理職育成で若手、中堅社員の改善を行っていきます。今回は、若手社員への導入教育の内容を掲載します。

【第2回:若手社員教育 社会と会社の歩き方】

入社時、入社後1年以内の若手社員に求めること

入社時や入社後1年以内の若手社員がよく陥る状況として、「夢や憧れを抱いて会社に入ったが現実はとても辛く、仕事も単調でつまらない」「今までは自分が主役だった、今は沢山の人に揉まれてうまく立ち回れる自信がない」など、社会人成り立てのギャップに苦しむ状況があります。私も若手社員時代にそのようなギャップから会社に馴染めず直ぐに転職していった同期が多くいました。

ここで本来会社が伝えていくべき事は、社会とは何か?会社とはなにか?をきちんと伝えていく必要がある事です。社会と会社の仕組みを理解して、なぜ自分は働くのか?を自分自身で理解していかないと、何歳になっても理想と現実のギャップに苦しめられる事になります。

その内容とは、まずは社会と会社を以下の通り理解できるか、を促していきます。

  • あなたはなぜ働くのか?・・・それは生きて、社会から必要とされ、自己実現をするため。
  • なぜ働くとお金がもらえるのか?・・・それは誰かの、社会の役に立てたから。
  • なぜ会社があるのか?・・・それは同じ目的、目標を持った仲間が集まり、皆で効率的に働き、効率的に稼ぎ、皆で夢をかなえるため。1人で働くより効率的に生産、サービスが行えるから。
  • あなたが行う仕事とは何か?・・・無駄な仕事など一切なく、仕事は様々あるが、全てが会社の成長に繋がっていくこと。
  • あなたの働く意義は?・・・働く事で、成長し生きていける、人から認められ嬉しさを感じる、 誰かの役に立ち、お金がもらえる、いい仲間作りができる、夢が作れる、夢が実現する。結局は自分の為に一生懸命働いていって欲しい。

上記の内容はあえて教えられる機会はないと思いますが、ごく当たり前の事を示しているだけです。
これには若手社員に会社や社会の為でなく最終的には自分の為に一生懸命働く事が、自分の成長や未来を形作っていくのだと感じてもらい、働く意欲、成長意欲を形成していく事を目的としています。

ただ何となく就職し、働けばお金が貰えるから会社に来ているだけ、のような思考の若手社員に対し、ここでは「自分の幸せは自分の仕事を通じて自分で作るのだ!自分の人生は自分が仕事を通じて成長し切り拓くのだ!その為に会社があり、社会に貢献する事で実現する」とあえて熱いメッセージをぶつけるようにします。ここで目覚める若手社員は、その後の成長の為、仕事への意欲も増し、問題行動に対する幼児性(自己中心的な考え)を自ら排除できる事をここでは狙っています。

多く中小企業は早い段階での若手社員の戦力化に、営業手法や技術面など実務教育がメインとなりますが、こうした人間形成を並行して行う事が業務を優先するゆえに困難となりがちです。
今や大企業となったスターバックスでは、アルバイトも含め新入社員研修に最初2か月間、計80時間をかけてマニュアルにはない「ホスピタリティー教育」を実践しています。「お客様に感動経験を提供する」といった経営ビジョンの実現に向け教育を通じて再現できている例です。

若手社員のマインドセットと並行して、会社の中核的存在となる中堅職員の改善や管理職育成が、組織作りには求められます。中堅職員はいかに自己中心的な考え(仕事に対する幼児性)を排除し、メンバーから信頼されるリーダーになるか、管理職は経営層とメンバー間をつなぎ、いかにチームを牽引し組織の目標達成を実現させるかが求められます。それには「人を育てる」「人を動かす」技術がキーとなります。 次回は中堅職員、管理職に必要な「人を育てる」「人を動かす」をテーマに掲載いたします

【須藤 弘幸】

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

活動のご報告