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連載企画 合格後のキャリアの作り方 (4) 後輩診断士との向き合い方

合格後のキャリアの作り方の最終回は、「後輩診断士との向き合い方」についてです。本コラムでは、これまで過去3回、キャリア形成について記載してきました。

中小企業診断士として、1年間活動を実施すると、翌年からは先輩診断士となります。後輩の中小企業診断士のサポートは、中小企業診断士の発展のためには不可欠な要素です。

しかし、ひとえにサポートといっても、そのやり方は多種多様で、効果的なサポートを行うためには、中小企業診断士の取得直後という特性の理解が必要です。本コラムでは、具体的な事例を元に、後輩診断士との向き合い方について解説します。

■後輩診断士のサポートにおける主な特徴

•実践的な知識・経験の不足
中小企業診断士の試験合格直後は、机上の知識はあっても、実際の企業経営の現場でどのように応用すれば良いかが分からないことが多いです。特に、多様な業種や規模の企業に対する支援経験の不足は大きな課題となっています。

•先輩診断士との連携不足
後輩診断士は、先輩診断士との接点が少なく、相談やアドバイスを受ける機会が限られている場合があります。そのため、先輩診断士の経験や知識は、後輩診断士にとって貴重な学びの機会となります。

•情報収集と自己研鑽の不足
常に変化する経済状況や経営トレンドに対応するためには、継続的な情報収集と自己研鑽が不可欠ですが、その重要性を認識が不足していたり、方法が分からなかったりする場合があります。

•資格の「活用方法」の迷い
資格を取得したものの、どのようにその資格を活かして、活動に繋げていけば良いか、具体的なイメージを持てていない場合があります。

これらの特徴に対して、先輩診断士として後輩の診断士をサポートしていく具体的な方法を以下に記載します。

■後輩診断士をサポートするための具体的な方法

・先輩・後輩交流イベントの参加
後輩診断士と気軽に交流できるイベントや勉強会に積極的に参加して、人的ネットワークの構築を支援します。「各種登録グループ」のような研究会への参加を促すことも有効です。

・コミュニティ形成と交流機会の創出
後輩診断士同士が交流し、情報交換や悩み相談ができるコミュニティの立ち上げや支援をします。県協会には同期会がありますので、先輩診断士として、同期会の魅力などを後輩診断士に伝えていくのも重要な役目となります。

・オンラインプラットフォームの活用
オンラインフォーラムやSNSグループなどを活用し、時間や場所にとらわれない情報共有や交流を促進します。

・実務従事への参加促進
実務従事の情報提供や参加支援を行い、実際のコンサルティング経験を積む機会を増やします。

・情報収集・自己研鑽の支援
先輩診断士が中心となり、最新の経済情報や経営トレンドを共有する仕組みを構築します。

・成功事例・ロールモデルの紹介
活躍している先輩診断士の事例を紹介することで、後輩診断士のモチベーションの向上に繋げていきます。

・マインドセットの醸成の発信や交流
顧客志向、貢献意識、自律性、責任感、謙虚さ、チャレンジ精神といった中小企業診断士として必要なマインドセットを醸成するための情報発信や交流を行います。

以上、後輩診断士のサポートは、一方的な教え込みではなく、自律的な成長を促す視点が重要となります。

また、自分自身にとっても、後輩診断士という「仲間のサポートをする」という行為そのものが、成長に繋がっていきます。特に、中小企業診断士試験に合格した直後の、経験の浅い時期に必要なのは、実践的な学びの機会と、安心して相談できる環境です。

そのため、先輩診断士として、県協会の各種登録グループ等と連携し、体系的なサポート体制を構築することで、後輩診断士の成長を力強く後押しすることができます。重要なのは、最初だけでなく、中期に渡って、継続的な支援を行うことです。

これらの要素を意識しながら、後輩診断士の方のサポートを実施し、中小企業診断士としてのキャリアをより確実なものとしていってください。

【鴨居 陽介】

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