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IDEC横浜に聞 く中小企業支援と中小企業診断士との関わり方


横浜地域の企業の頼れるパートナーとして、創業・経営支援に幅広く取り組む公益財団法人 横浜企業経営支援財団(通称:IDEC横浜)。今回は、IDEC横浜の職員として、また中小企業診断士として、日々企業支援に奔走する井上擁祐さんにお話を伺いました。支援現場の最前線で感じていることや、職員また中小企業診断士としてのやりがい、そして地域企業とそれを支援する中小企業診断士の関わり方について、熱い想いを語っていただきます。

■組織の概要とミッションについて

- IDEC横浜はどのような組織ですか?設立の背景や目的について教えてください。

IDEC横浜は、中小企業支援法に基づいて横浜市から指定を受けた中小企業支援センターです。目的としては、中小企業の経営基盤の安定や強化をはじめとして、計画的な成長や新事業創出・創業の促進を図るために、総合的かつ継続的に支援事業を行っています。

また、産業関連施設としてインキュベーション施設や支援施設を持っており、それらの管理運営も実施しています。目的としては横浜経済の活性化や地域社会の健全な発展に寄与することを目指す公益財団法人となっています。

IDEC横浜では、これから創業される個人の方や個人事業主、小規模事業者に対しても支援に力を入れています。

■具体的な支援内容について

- 経営相談の支援メニューについて教えてください。

経営相談の支援内容は主に4本柱(デザイン相談を入れると5本)となっています。
①ワンストップ経営相談
月曜日から金曜日まで毎日、中小企業診断士が窓口相談を実施しています。創業支援、事業計画策定支援、販路開拓支援、補助金獲得支援など幅広い内容の支援を行っています。窓口には中小企業診断士以外にも、税理士、弁護士、社会保険労務士などのエキスパートが特定の曜日に常駐し、ワンストップで対応できる体制を整えています。ワンストップ経営相談は回数制限なく無料のメニューになります。

②専門家派遣事業
専門家が事業者の事業所に訪問し、課題解決を支援するメニューです。経営戦略、IT、税務相談など幅広く対応しています。こちらの支援メニューは年度内10回利用が可能で、内4回までは無料となります。5回目以降は原則事業者に一部負担をお願いしています。

③事業承継に関する相談
経営者や後継者向け無料相談や、承継計画策定支援、事業承継やM&Aのセミナー等を行います。ワンストップ経営相談・専門家派遣事業としても事業承継に関するご相談に対応しています。

④技術相談
市内中小製造業・情報通信上の技術課題に応じて、中小から大手企業、大学等とのマッチング支援を行います。また、公的支援施策の紹介や各種専門家の紹介、新分野進出、新製品開発に向け、継続的に支援しています。

⑤デザイン相談
デザイン相談は昨年から開始した新しいメニューで、デザイナーによる相談窓口を設けています。商品パッケージのデザイン改善、展示会ブースの見せ方、SNSでの発信、ホームページ作成などについてデザイナーが支援します。

- 年間でどのくらいの相談件数・支援企業がありますか?

窓口相談の年間件数は延べ約2,000件です。相談内容としては、融資や補助金などの資金調達、経営全般に関する相談が半分以上を占めています。経営相談には「そもそも何を相談したらいいかわからない」といった漠然とした相談も含まれます。

■地域企業の現状と課題について

- 横浜市内の中小企業の特徴について教えてください。

横浜市内の中小企業の特徴として、製造業(自動車関連、精密機器など)やIT産業も多く見られます。また、横浜は観光地でもあるため、サービス業、小売業、宿泊業なども多い印象です。

- 最近の取組事項について教えてください。

横浜市の掲げる脱炭素への取組について、IDEC横浜でも全体で力を入れています。省エネ化に取り組む事業者への訪問支援等も行っています。

■中小企業診断士との連携について

- 中小企業診断士に求める役割とスキルは何でしょうか。

中小企業診断士には、当然ながら幅広い知識やスキルが必要だと思います。たとえば事業者の課題を把握し解決するコンサルティング力、金融機関や他の士業専門家へ橋渡しをする調整力、常に最新の話題をキャッチし勉強を継続できる力が求められるのではないでしょうか。

- 中小企業診断士と現場をつなぐ工夫について教えてください。

事業者と中小企業診断士をつなぐ際には、事前のマッチングが非常に重要になります。事業者の性格や経営課題を総合的に判断し、内容に合った中小企業診断士にご依頼をしています。
専門家派遣では、職員も同席をさせていただいております。事業者の中には話すのが苦手な方もいるので、話題提供をしたり、沈黙を埋めたりするのも職員の役割となります。現場では、中小企業診断士と職員が連携をすることで、事業者に対してより良い支援をしていければと思います。

- 地域中小企業支援における中小企業診断士の可能性と認知度についてはどうお考えですか。

地域の中小企業支援において、中小企業診断士が中核的な役割を担っていると考えます。しかし、中小企業診断士という資格について、一般的にはその業務内容が理解されていない現状があります。一般の方々にとって、税理士や社会保険労務士は馴染みがありますが、中小企業診断士は初めて知る資格である場合が多いです。経営に携わっていない方はもちろん、経営に関わっている方でも中小企業診断士を知らない場合が多くあります。私個人としての想いですが、対外的に発信する場があれば中小企業診断士の魅力や役割を発信し、認知度を向上させていきたいです。

- 中小企業診断士の成果の可視化についてはどうお考えですか。

中小企業診断士が助言をして、いきなり明日から売上が倍になったりすることはありません。成果が見えるのは、早くても半年後、1年後ではないでしょうか。それに診断士がいかに適切な助言をしたとしても、経営者のやる気がなければ成果は現れません。ここが難しい部分ではないでしょうか。しかし、継続的に熱意をもって支援をしていれば支援前とは何か変化があるものです。定期的に支援先を観察し、少しでも良い方向に事業が進んでいれば、嬉しくなりますし、その喜びを専門家の方々と共有できればと思います。

■職員ご自身の視点として

- 公的支援におけるやりがいと難しさについてお聞かせください。

やりがいとしては、事業者の味方として幅広いご相談にのれることです。特にこれから事業を始められる方は、すごく不安を抱えています。その中で支援機関として頼りにしていただき、事業者から感謝やお礼の言葉をいただけたとき、やりがいを感じます。
難しさとしては、あくまで原則無料の範囲内でのご支援のため、一歩踏み込んだ支援が中々できないところです。もう少し事業者のためにやってあげたい、けれど専門家の負担になってしまう、このバランス調整を行い、線引きをどこかでしないといけない。よく悩まされるところです。

- 外部機関との協力体制についてはどうお考えですか。

中小企業診断士と事業者の関係だけでなく、市内金融機関をはじめ、県の機関との連携を行っています。IDEC横浜と同じ専門家が他機関で登録されているケースも多く、効率的な連携が図られていると感じます。

■中小企業診断士へのメッセージをお願いします
色々とご説明をさせていただきましたが、この他にもまだまだお伝えしたいこと、しきれなかったことが沢山あります。少しでもご興味を持っていただければ嬉しいです。HPもありますので ( https://www.idec.or.jp/ )、ぜひご覧ください。
みなさまのお力を横浜市の中小企業支援のために貸していただきたいですし、IDEC横浜への登録もご検討いただければと思います。 

【飯島 利幸】

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