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(連載企画)ものづくり企画 ヒアリングにも役立つグループインタビューの手法 第1回

新規事業や新商品はどのように企画開発するのでしょうか?

人事職から企画職(新設部署)に職種が変わったときに参考図書を探しましたが、具体的な取り組み方が書かれたものは意外にありませんでした。大学の専攻は経営学だったので、SWOT、アンゾフの成長マトリクス、4P、など、基本的なフレームワークの知識はありましたが、フレームワーク間をつなぐ具体的な方法が分かりません。

ここでは、自分なりに勉強・試行錯誤して商品企画に役立てている手法などをピックアップし、連載でご紹介します。第1回は「グループインタビュー」のノウハウです。ベーシックスキルとして、ヒアリングや様々なシーンで活用しています。

グループインタビューとは、5~6人ほどのグループで調査テーマについて座談会形式で自由に発言してもらうことで、消費者の考えや本音を収集する定性調査の一種です。アンケート形式と比べて、インサイトを探るのに適していると言われています。調査は「企画」「司会」「分析」の3部で構成されます。その中で、社長へのヒアリング準備にも役立つ調査「企画」のポイントをご紹介します。

インタビューの目的を明文化する

ポイントは、調査結果をどのようなアクションにつなげるかを具体的に表現することです。

→ 次のアクションとの関連性が低い情報収集に流れることを防ぎます。
→ 時間内に聞く項目を厳選する際の判断軸になります。
→ 明文化して意識に刻んでおくことで、重要な発言への感度が高まり、インタビュー中に臨機応変に深堀りできるようになります。

インタビューのフローとタイムスケジュールを決める

質問を考えるというより、まず「話題の枠」と「流れ」を作ります。(図1 参照)
細かい質問は、発言を引き出す切り口や、自然に発言が出なかったときにフォローするポイントとして用意しておきます。

→ 一問一答のような質疑応答ではなく自然な会話が広がり、その中から情報を引き出せるようになります。
→ 話題の枠は5~15分のまとまった時間なので、時間調整と会話への集中が容易になります。

図1)「梅澤式グループインタビュー」セミナーを受講し、調査を実践した経験からアレンジ

提示用の新事業・新商品イメージを用意する

検証したい事業・商品の案を3(~5)パターンほど用意します。(図2 参照) 
案は、敢えてスペックを下げる、検証したいフィーチャーを各案に散らすなど、調査テーマに関する発言を引き出せるよう仕掛けをします。

→ 比較対象があることで、発言が出やすくなります。
→ 収集できる情報量が格段に増えます。

図2)新事業・新商品案のイメージ(本文用に作成)

これらのポイントは、グループインタビューに限らず1対1のインタビューやヒアリング、アンケートにも共通するものがあるので、取り入れてみてはいかがでしょうか。

【吉江 裕子】

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