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(連載企画)零細企業への公的支援の認知と活用の促進 第4回 「認知と活用促進の提言」

最後の回は、零細企業への公的支援の認知と促進の提言をいたします。

家族の生活のため、地域のために、朝から晩まで頑張っている真面目な零細企業には、必要があれば行政支援も活用して持続的に成長してほしいと願っています。

公的支援の認知と活用促進が必要な理由(再掲)

必要な理由は、連載第2回「零細店の存在意義と支援の実態」に記載したように、零細企業の果たしてきた社会的役割があるからです。零細小売業の場合、地域住民と連帯して住み良い生活環境・都市観光の形成に務め、地域住民として地域の祭礼など文化行事の担い手となり、地域を支えてきました。さらに、買物に来る地域の青少年たちに社会の常識を教えるなど社会的役割を果たしてきました。地域零細店活性化は、今後も地域内コミュニケーションを活性化させ、人々の生活に「うるおい」と「輝き」を取り戻し、今起きている社会病理的な出来事を少しでも低減させることにつながると期待できます。地域は地方都市だけでなく東京都など大都市内にもあります。

零細企業へは、公的支援情報の伝播、認知が必要です。小規模企業支援セミナーの先生からは、「行政支援等の情報は経営者自身の努力で探してほしい」との意見を頂いておりましたが、店を留守にするわけにもいかず、情報収集方法の知見がないため、公的情報にさえ辿りつかない零細店も多いのです。そういったお店にも情報が届くよう支援したいと考えています。

【提言一:企業内診断士として、会社取引先中小企業に対して行政支援の認知を促進する】

私は、自社取引先の中小企業に行政支援の伝播、必要に応じ支援活動もする診断士活動の役割を提案し了承を得ました。その効果として①取引先の設備投資が増えることにより自社売上に寄与する、②自社にも補助金を活用できる可能性があることもアピールしました。さらに③チャレンジできる組織風土であることを従業員に伝えられるメリットも説明しました。これは、我々企業診断士が会社内での存在意義を発揮できるチャンスでもあります。

最初の 活動として取引先に、行政支援の認知・活用状況、行政支援に関する要望を確認しました。認知・活用の実態では、①行政支援を知らない ②知っていても難しくて活用できない ③自社は対象外で関係ないと思うなど、当連載第1回に掲載した白書の調査結果とほぼ同じ傾向でした。要望としては、公的支援を活用したい、補助金申請を支援してほしいとの意見も頂きました。

それらの要望も踏まえ、相談窓口・補助金の種類など行政支援内容の定期発信(2回/月)と相談を始めました。補助金の申請ポイントなど、日々勉強しながら発信しています。その結果、取引先のサイト閲覧ランキングで上位となり、零細企業の行政支援に対する関心の高さがうかがえました。

第一の提言としては、企業内診断士として、取引先に公的支援を伝え支援する役割を社内で創り、実施することです。診断士全体の半数以上を占めるといわれる企業内診断士のうち、もし数%の方が取引先の中小企業に伝播するだけでも零細企業の認知に大きくつながります。

【提言二:零細店の定期健診を実施する】

第二の提言は、零細店が廃業・倒産しないよう、予防のための簡易的健康診断、経営診断をすることです。経営診断は、売上拡大等の相談窓口を知り、活用きっかけともなります。1回/年の定期健診ができないか。予算作成、経費支援も含め行政・商工会議所等との連携で、幅広く経営診断ができないものか。これは、企業内診断士も企業と接し、知見を拡大し次につなげていくチャンスなので、低賃金でも積極的に参加されると良いと思います。

以上2点が私の零細企業への公的支援の認知と活用の促進の提言です。
私は、今後「寄り添う」診断士、「大丈夫ですよ」といえる診断士を目指し、頑張っている零細企業を支援していきたいと思います。

 【明田 知大(あけだ ちひろ)】

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