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連載企画 中小企業のIT化 (3) DX化を進める上での留意点

前回は、「中小企業のDX化」をテーマに、中小企業のDX化への取組み状況やDX化を行うに当たっての課題についてご紹介しました。今回は、「DX化を進める上での留意点」をテーマにお伝えします。 是非、中小企業の経営者にDX化やITツール等の導入をアドバイスするシーンを想像しながら読み進めてみてください。

■DX化を行う「目的」の明確化

デジタル技術を導入する上で、最初に理解する必要があるのは、「デジタル技術は目的を達成するためのツール(手段)でしかない」ということです。そんなことは当然分かっているよ、という声も聞こえてきそうですが、「周りがやっているから」「システム導入に関する補助金が出るから」等、目的が曖昧なままシステム導入を進めてしまうと、システム導入自体が目的化してしまい、時間とコストのみを要してしまい、「いったい何のために導入したのか」分からなくなったというケースが多数見られます。

したがって、DX化を行う上でまずは目的を明確化することが重要です。例えば、「RPAツールを導入し、自動化・省力化による総労働時間を削減することで人時生産性(粗利を総労働時間で除したもの)を高め業績の向上を図る」「社長や熟練者の勘や経験に頼った経営をしていたが、データに基づいた経営判断を行えるように情報システムを整備する」等、DX化を行うことによって何を成し遂げたいかを考えてみましょう。その上で、以下3つの留意点に注意しながら取組を進めてみましょう。

■留意点1:自社のITリテラシーを見極める

例えば、ERPシステムで基幹業務を一元管理したいという理由でシステムを導入したものの、そもそもそのシステムを使いこなせる従業員がおらず、折角導入したシステムが「宝の持ち腐れ」となってしまう可能性があります。したがって、投資する対象が、自社の身の丈に合っているかしっかりと確認する必要があります。例えば、「オンプレミス(自社運用)だと運用が厳しいからクラウドサービスを検討してみよう」、「うちの企業は部署間でデータが散在している。そういったデータを簡単に連携できるシステムはないかな」等、自社のIT使いこなし度合いに応じたツールの選定が重要となります。

■留意点2:投資回収のシミュレーションを行う

デジタル技術の導入は、当然「投資」を行うことになるため、コスト(イニシャルコスト及びランニングコスト)がかかります。投資をしたものの売上増加や業務効率化が図れず、却って業績が低下してしまったら本末転倒になります。事前に投資による回収をシミュレーションしておきましょう。

例えば、「デジタル技術を活用して、3年で人時生産性を1.5倍にする!」といった目標を立てた時、現状の粗利及び総労働時間を3年間でどのくらい増減させる必要があるか算出し、デジタル技術を導入することでその数値は現実的に達成可能なのかを見極めます。

■留意点3:効果検証のための指標(KPI)を設定する

留意点2とも関連しますが、デジタル技術の導入によりしっかりと投資分を回収し、業績を上げていく必要があります。その際、ただ闇雲に「売上を上げる!」「コスト削減をする!」と息巻くだけでなく、KPI(Key Performance Indicators)を設定し、投資効果を検証することが重要となります。

例えば、売上を更に細分化すると「客数」と「客単価」の掛け算になりますが、客数を増やすのか、客単価を上げるのかで今後の戦略や選定するシステムも変わってくると思います。客数や客単価は更に細分化可能ですので、効果検証値として設定できそうな要素まで分解していきます。このように因数分解した要素をKPIとして設定することで、導入による効果をいつでも振り返られるようになります。

■まとめ

DX化を進める上での留意点を大きく3つご紹介しました。KPIの設定等、中小企業によってはこれまで実施したことの無いものもあるかと思いますが、しっかりと自社に適したシステムを導入することで導入効果を最大限発揮できるよう、これらの留意点を意識しながら進めていければと思います。次回は、「中小企業のデジタル化支援」をテーマにお伝えします。

【佐藤 圭】

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