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診断士インタビュー
石川佐知子さん
会員

令和を築く診断士「相手にとって役立つ支援とは」

「令和を築く診断士」では、様々な分野で活躍している協会員の方々をご紹介しています。今回は、石川佐知子会員にお話を伺いました。診断士登録3年目で、現在は会員支援3部の執行役員として、理論政策更新研修の運営や企業支援など精力的に活動されています。
●プロフィール
・2022年診断士登録
・会員支援3部 執行役員
●まずは自己紹介をお願いします。
はじめまして、石川と申します。大学は理系で、企業内にいた頃は印刷機器製造業でITインフラやネットワークの構築・運用・管理などを担当していました。独立後は中小企業診断士として活動を始め、現在は神奈川県協会の理論政策研修の執行役員を務めています。企業への支援では主にIT化や業務プロセス改善、商工会支援などを行っています。
●診断士になる決断をした理由は何でしょうか?
人生100年時代と言われる中、定年後も長く働き続けたいという想いがありました。早めに“次のステージ”を準備しようと考えていた矢先、中小企業診断士という仕事を知りました。会社員時代には運営管理や部長職を通して経営論や組織論に触れてきました。それらの経験をより社会に役立てられるのではないかと感じ、診断士の道へ進むことを決断しました。
● 現在の活動について教えてください。
現在、大きく3つの活動をしています。1つ目は神奈川県協会の理論政策更新研修の運営業務です。令和4年から携わっており、今年で3年目になります。神奈川県協会の研修は企業経営者を招いた講義が特徴で、運営に携わりながらも毎回リアルな経営者の声を聞けるのは、自分自身にとって大きな学びでもあります。

2つ目の活動としては、先輩診断士の事務所でIT化やプロセス改善の仕事をしています。特に注力しているのは、商工会向けの支援。商工会では使いやすい会員管理システムがなく、事務処理に時間がかかりすぎていました。そこでkintone等でシステムを構築し、業務を効率化して職員がより本来の経営支援に時間を回せるよう改善しています。

3つ目はプライバシーマーク(Pマーク)の審査員を務めていることです。様々な中小企業がどんなツールを活用して業務を回しているか実際の事例に接することができるため、中小企業にとって有効なツールの活用事例などを診断士の現場にもフィードバックできるのが大きなメリットとなっています。
●大切にされていることやポリシーなどを教えてください。
やはり、いくら専門知識を持っていても「相手に役立つ支援」でなければ意味がありません。常に“相手目線”で物事を考え、経営者の力量や業態に合わせた提案をするよう心がけています。ITを導入するにしても、高度なシステムだけが正解ではありません。最近では運転資金に困っていたパン屋さんを支援しました。味の良いパンを作る一方で、売上管理が追いつかず、資金繰りが不透明になっていました。そこで、毎日の製造数や売上、売れ残り数を入力するだけで売上高や廃棄ロスが分かる一見簡単なエクセルシートを用意し、管理を「見える化」しました。このように、経営者が心理的に取り組みやすいよう、いかにハードルを下げ使いやすいものを提供できるか、そこが勝負ですね。
●今後の抱負を教えてください。
まずは今やっている研修運営や企業支援の活動を丁寧に続け、期待される成果にしっかり応えていきたいと思っています。その上で、次にどのように展開するのかを考えていきたいと思います。とくに自分一人では対応しきれない領域には、他の診断士や専門家との連携を積極的に図りたいです。
●後記
今回のインタビューでは、ITの専門性と経営視点をうまく融合し支援される石川さんの姿がとても印象的でした。高度なIT知識をベースにしながらも、常に経営者の目線に立ち、現場が使いやすい仕組みを提案する。その柔軟さと思いやりこそが、診断士として求められる姿だと改めて気付きをいただきました。石川さんの今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。
【恩田 雅】