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診断士インタビュー
小泉昌紀
会員

診断士の匠「常にチャレンジし共に成長していきましょう」

診断士として長くご活躍されている先輩から、その知恵やアドバイスをいただく『診断士の匠』。
大手製造業で事業責任者を務められ、その傍らマーケティング実践研究会とAIビジネス研究会の代表として精力的にご活動されている小泉昌紀さんにお話を伺いました。
プロフィール
マーケティング実践研究会代表、AIビジネス研究会代表
ITコーディネータ―
2002年(平成14年)中小企業診断士登録
●現在のお仕事について教えてください
現在の仕事は、電気メーカーで新規事業開発をやっています。誰もやってない新しい分野で、新しい技術を使ってビジネスを立ち上げる仕事です。かなりチャレンジングでやりがいのある仕事です。例えば、企業のブランド価値向上の取り組みや、社会課題解決に向けAIの分析結果を企業にフィードバックし、ビジネス化を支援したりしています。次に、診断士としての活動ですが、2つの研究会の代表をやっています。研究会を通して、常に新しい情報や技術を学び中小企業の経営者の方たちと一緒に課題解決に向け取り組んでいます。AIビジネス研究会では、AIをより身近なものとして捉えてもらうために、異業種交流を重視した活動をしています。最近では、多様なベンチャー企業を招いた講演会を数多く開催し、実践的でオープンなコミュニティを目指して活動しています。
●仕事の中で大切にしていることを教えてください
一言で言うと「我々ができて、中小企業が喜ぶこと」を追求することですね。我々診断士は、とかく自分の専門分野や得意分野にとらわれてしまいがちですが、本当に大切なのは、中小企業の目線に立って、彼らにとって本当に必要で、役に立つことは何かを常に考え続けることだと思います。しかし、現実には、中小企業のニーズと、我々診断士が提供できるサービスの間には、大きなギャップが存在していることが多いと感じています。このギャップを埋めるためには、企業や組織の枠を超えて、様々な人や技術・知識を結びつけ、共に新しい価値を創造していく考え方が必要となります。例えば、伝統工芸会社とマーケティング専門家をつなげることで、伝統工芸の資産を活用し、大企業向けの新規事業や研修サービスに展開することで、これまでにない新しいビジネスモデルが創出できるかもしれません。
●今後のご自身のビジョンを教えてください
大げさな話かもしれませんが「みんなで日本の国力を復活させたい」っていう思いがあります。かつて日本は、世界のトップを走っていた時代もありました。でも、今は色々な分野で遅れてしまい、このままではどんどん地盤沈下していく一方だと思うんです。その原因として、僕は特に「教育」が大きいのではないかと感じています。僕自身も、会社でビジネスパーソン向けのデータ活用スクール事業を始めたり、中小企業の社長さんと一緒に新しいことに挑戦したりしています。今後は、自分の仕事を通して、社会にどんなインパクトを与えられるかっていうことを、常に考えながら行動していきたいと思っています。そして、そのためには、周りの人たちを巻き込みながら、共に成長していくことが重要です。「一人じゃ何もできないけど、みんなで力を合わせれば、きっと何かできるはずだ」、そんな気持ちで、これからも色々なことにチャレンジしていきたいですね。
●若手や新人診断士に向けてアドバイス、メッセージをお願いします
「①継続すること、②ポートフォリオを広く持つこと、そして③仕事は断らないこと」の3点を伝えたいですね。僕自身も、資格を取ってから12年間は何も活動してなかった時期があります。でも、そこで諦めないで続けていれば、必ず周りの景色が変わってきます。僕の場合、細々と続けていたマーケティング研究会への参加が、その後、AIビジネス研究会の設立に繋がっていきました。そして、一つのことだけに固執するのではなく色々なことにチャレンジして、自分のポートフォリオを広げていってほしい。そして、どんな仕事でも断らないこと。一見、関係ないような仕事でも、積極的に引き受けることで、思いがけない経験や人脈に繋がることがあります。若いうちの苦労は買ってでもしろ、なんて言葉もあるように、今のうちに色々な経験を積んでおくことは、将来の糧になります。中小企業の成長を支援するというやりがいのある仕事を通して、一緒に日本の未来を明るくしていきましょう!
【恩田 雅】