インタビュー

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 診断士の匠「とにかく行動し続ける”大量行動”の重要性」

診断士インタビュー
大堀浩さん
会員

診断士の匠「とにかく行動し続ける”大量行動”の重要性」

診断士として長くご活躍されている先輩から、その経験やノウハウを学ぶ『診断士の匠』。今回は独立診断士の大堀浩さんにお話を伺いました。
プロフィール
・独立診断士
・1990年診断士登録
・福八経営デザイン株式会社 代表
●ご自身やお仕事内容について教えてください。
 私は大手IT企業に38年勤務した後、中小企業診断士の仕事を生業にするため、2018年に早期退職し自身の会社を立ち上げました。現在は神奈川県および福島県を拠点に、経営コンサルティング事業を展開しています。中小企業診断士資格は1990年に取得したのですが、勤務先でそれを活かす機会もなかったため、2017年までずっと休止状態にしていました。
●独立された経緯は?
 2011年の東日本大震災がきっかけです。被災した故郷の福島県のために何かしたいと考えるようになりました。独立後の成功に確信はなかったものの、診断士の仕事がしたい、福島県の創業支援にかかわりたい、という気持ちが強くなり、休止していた診断士資格を復活させ、勤務先を早期退職し、独立に踏み切りました。
●独立直後はいかがでしたか?
 最初、仕事がまったくなく、困り果てる日々が続きました。しかしそこに転機が訪れます。ある先輩からの助言で、とにかく行動し続ける「大量行動」の重要性を知ったのです。私は大量行動を決意し、「お金がない」「時間がない」「自信がない」という言い訳はしないと自らにルールを課しました。
●具体的にどのように行動が変化したのでしょうか?
 初めてのことでも「自信はあります」と言って動き回りました。パソコンスキル不足を痛感したので、パソコン教室に即入会し2年通いました。不得意なテーマのセミナー講師の仕事にも手を挙げ、猛勉強してセミナーを成功させました。福島県の診断協会にも入会し、足しげく通いました。神奈川県協会の有料の実務実習にも積極的に参加し、経験値を増やしました。カッコ悪いのを承知で前職の部下に挨拶回りし、セミナーの受注につなげました。これは記念すべき自身での初受注セミナーでした。そんな大量行動の結果、独立後4年目で当社の営業利益がプラスに転じるところまで成長できました。
●素晴らしい行動力ですね。
 やはり長年の勤務で染みついたサラリーマン気質が原因で、「大量行動」の発想を持っていなかったんだと思いました。多くの企業内診断士も同じ状況ではないかと思うので、ヒントになれば嬉しいです。
●現在はどのような観点で実務に取り組んでいますか?
 今重視しているのは、クライアントの人材育成です。セミナーなどの手法ではなく、コンサルティングを通じて経営者や幹部の成長を促すスタンスで取り組んでいます。具体的には、1日の半分は経営幹部を集めた経営テーマのディスカッションに充て、残り半分で私が用意した課題を皆に考えてもらう。そのプロセスを踏むことで、幹部クラスの考える力を育もうと試みています。赤字企業には、組織面においても赤字になるだけの理由があります。そこに向き合ってもらっています。
●若手や新人診断士へのメッセージをお願いします。
 せっかく取得した診断士資格なので、中小企業の生産性向上の支援など、社会に役立てるところまで取り組んでもらいたいです。リモートワークの普及などで、独立診断士はもとより、企業内診断士でもやれることは増えているはずです。いろんなプロジェクトに参加するなど、社外に出て行動してもらいたいですね。ぜひ「大量行動」してみてください。

【小野 慎介】