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診断士インタビュー
織田幸子さん
会員

令和を築く診断士「とどく言葉と、とどける支援」

 今回は、損害保険会社に勤務されており、中小企業診断士の活動として、複数社の顧問や日本工業大学専門職大学院の客員教授をされている織田 幸子様にお話を伺いました。神奈川県中小企業診断協会の会員支援3部の執行役員(理論政策更新研修)も担当されている織田様の中小企業診断士としての活動理念、中小企業が抱えている課題についてご考察をいただいております。
プロフィール
・2021年 診断士登録
・企業内診断士
・日本工業大学専門職大学院客員教授
・会員支援3部執行役員
1.中小企業診断士の資格を取得した理由についてお聞かせください。
損害保険会社のコンサルティング部門で専業保険代理店への経営診断を担当していたのですが、実務を行う中で、もっと経営について学ばなくてはいけないと思い、中小企業診断士の勉強を始めました。また、より実践的にコンサルタントとしてのノウハウを学ぶために、登録養成課程に通い、授業を通して同期生と研鑽しながら企業経営について学びました。
2.中小企業診断士としての活動はどんなことをされていますでしょうか。
①登録養成課程で園芸店の実習をした際に、ご提案した新商品を事業者様にとても気に入っていただき、商品開発から販売までお手伝いしました (その後顧問契約) 。新商品は創作者として意匠登録が完了し各種メディアにも取り上げていただいたおかげで地元でも評判となりましたので、これから様々な施策を検討したいと考えています。
②登録養成課程の同期から、気仙沼の水産加工業者様がBtoC展開するにあたって、女性の視点が必要だからとプロジェクトに呼んでもらい、クラウドファンディングの展開を支援しました (その後顧問契約) 。今年になって経営革新計画の立案を提案し、先日無事採択されましたので、今後は、計画に沿って、大学との共同研究などに取り組む予定です。事業者様からは、ちょうど事業承継を考えていたタイミングでもあったため、時間をかけて一緒に経営革新計画を立てたことで、今後の課題や夢が明確になったと言っていただきました。遠方の事業者様のためコミュニケーションはオンラインがメインになりますが、別の機会で東北に行く機会がある時は、事業者様へお伺いして現場を見学することで、計画立案の参考にするよう心がけています。
③マーケティング実践研究会をきっかけに、事業再構築補助金やものづくり補助金に関わることができ、新型コロナの影響で事業継続に苦しむ事業者様を支援させていただきました。事業計画書を書くことで、様々な事業について学ぶことができコンサルタントとしての活動の幅が広がったと思います。また、採択後、いかに事業化を支援するのかが今後の課題だと感じています。
④今年度から日本工業大学専門職大学院の客員教授を拝命し、登録養成課程で授業を担当することになりました。私が担当する授業は卒業を間近に控えた時期に行うため、より実務を意識した中小企業診断士のリアルな現場を伝えていきたいと思っています。
3.中小企業診断士として活動するうえでの理念をお聞かせください。
【とどく言葉と、とどける支援】登録養成課程の実習で、ある若手経営者から聞いたお話を今でも肝に銘じています。その方がおっしゃるには「行政から派遣されるコンサルタントで、こちらのこともよく聞かず一方的に上から目線で話す方がいる。無料だから黙って聞いてはいるが、当社にとってあまり役に立たないと感じることがある。」とのことでした。すべてがそのようなケースではもちろんないと思いますが、もし自分が支援した際に相手にそのように思わせてしまったらお互い残念な話です。常にそのお話を思い出しながら、相手にとどく言葉を発するように心がけています。そのためにも、コーチングやNLP(神経言語プログラミング)などを学んでいます。
4.中小企業が抱えている課題や支援を必要としていることは何だと感じますか。
やはり、人と情報でしょうか。私が顧問契約をしている事業者様も含め、自社の課題解決にとって必要な「情報」を手に入れ、実行するための「人」が足りていないと感じることが多いです。現在、様々なバックグランドを持った中小企業診断士とチームを組んで中小企業支援を行っていますが、それぞれの強みを活かしながら、中小企業に不足しているリソースをカバーして更なる成長への支援をしていければと考えています。                             
【山盛 朋哉】