診断士インタビュー
齊藤肇さん
会員

診断士の匠「ビジョンを明確に! 後悔しない挑戦を!!」
- 診断士として長くご活躍されている先輩から、その知恵やアドバイスをいただく『診断士の匠』。
長年の外資系大手IT企業に勤務のあと独立し、齊藤中小企業診断士・行政書士事務所と合同会社メイクイットワークを経営されている齊藤さんにお話を伺いました - プロフィール
- 出身県:富山県
趣味:テニス、釣り、ゴルフ、日本酒(利き酒師)
著作:共著
*老舗の強み
*新世紀を勝ち抜く卸売業の情報システム
*ビジネス能力(3級)合格完全対策 - ●保有資格と、どのような勉強をしたかを教えてください
- 中小企業診断士:大学卒業後、富山県のIT企業に勤務していた当時、通信教育(日本マンパワー、(日本マンパワー、企業経営通信学院)のカセットテープとテキストを使い学習しました。1次試験は3回目、2次試験は2回目に合格し32年前に「情報部門」診断士登録をしました。
行政書士:こちらはeラーニング(フォーサイト)で学習しました。法律にはもともと興味があったこともあり、わりと理解は早かったです。1年目は5か月位の学習で合格できませんでしたが、2回目に合格しました。
事業承継士:社団法人事業承継協会から資格を取得しました。資格は5日間の講習を受けたあと、試験を受けることで取得しました。一般の方の知名度は高くないと思いますが、事業承継支援に必要な法務、税務、M&Aに関する知識などを学べ、面白かったです。 - ●現在のお仕事について教えてください
- 2002年から2022年までの20年間勤務した外資系IT企業を退職し独立後、2年半が経過しました。これまでは、補助金申請、融資申請支援が中心でした。50件ほどの受注(事業再構築補助金:15件ほど、ものづくり補助金:5件など)をしていますが、現在、事業承継支援が増えており、神奈川県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家や、横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)の事業承継・経営相談員をしています。IDECでは、ものづくりコーディネーターや脱炭素経営相談員(脱炭素、省エネ診断を受けてもらうための相談・案内)もしています。
事業承継支援では親族間・社内昇格承継が中心ですが、M&A支援も増えてきています。年間20社ほどを支援しています。その他、行政書士の資格を活かした会社設立や遺言・相続、外国人入管取次の支援もしています。
- ●仕事の中で特に大切にしているモットー、考え方などを教えてください
- 設立した会社名「メイクイットワーク」にモットーを込めたつもりです。《Make it Work.》には「カタチにする」と意味があります。単なるアドバイスではなく、お客様のやりたいことを「カタチにする」ことにこだわって仕事をしています。お客様と一緒になり、目標を設定し成し遂げるまでの支援を行います。そのためには方向性を示すだけでなく、手順やツールを提供し実現までのサポートも必要になってきます。
- ●今後のご自身の仕事に対するビジョンを教えてください
- 事業承継支援をしていると、必ず聞く経営者の言葉があります。それは「よいカタチで会社を譲りたい」ということです。これを実現できる事業承継のエキスパートとなるのがビジョンです。この条件として3つが必要と考えています。
① 経営者が納得できるリタイアメントの実現
② 後継者が良い状況で舵を取ることを実現
③ 親族や関係者が応援できる環境づくりを実現
これを実現するには経営の見える化や事業承継の計画、手続きだけでなく、後継者への教育や関係者でのコミュニケーションづくりも必要になってきます。自らすべてを行うのは難しく、他の専門家との協力関係づくりも重要になってきます。 - ●若手診断士に向けてのアドバイス、メッセージをお願いします
- 二つあります。一つは、自らのビジョンを明確にすることです。ビジョンに照らし合わせて行動することで、迷いや後悔が減ると思います。私の過去の経験、特に最近の指導経験からの学びです。
二つ目は、できる限り多くの人たちと出会うことです。自分のことは自分で見えていないことが多々あるものです。ご自分の良さや強みも他の人と話すことにより気づくことがあります。 - 【玉井 政彦】