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会員寄稿記事
女性診断士懇談会

令和4年度「女性診断士懇談会」

令4会のスピンオフ企画として女性の診断士の懇談会を開催しました。この会は発起人である令4会の吉田、大野が女性の診断士の方にお話をお聞きしたいとの願いから始まりました。会員支援一部の理事、齋木さんにご協力いただき、全会員へのメール発信という形でご案内をしていただきました。8名で開催した会の様子を報告します。(開催日2022年12月18日 横浜 エルプラザにて)
参加者(敬称略・五十音順・名前の後ろは入会年度)
石川佐和子(令4)、伊藤由美子(H27)、大野千佳(令4)、窪田紀子(令4)、齋木真紀子(H29)、
斎藤優子(H30)、吉田由紀(令4)、与那覇幸子(令4)
本会議の趣旨/発起人:吉田
登録したばかりなので、先輩方にお会いする機会が少なく、特に活躍されていらっしゃる女性診断士の方々にお会いしたいものの手段がない。であれば、作ってしまいましょう!と、企画しました。活躍されていらっしゃる女性診断士の方々のお話を伺うことは、大変励みになる貴重な機会であり、ざっくばらんにお話できるとうれしいです。
参加者自己紹介
吉田:実務補習を経て昨年10月に登録しましたが神奈川協会には先に6月に入会しました。現在はマーケティング実践研究会、かながわ補助金研究会などの登録グループ、「かなゴル」に所属しています。大手通信会社の研究所で、研究を外部に出していくプロデュース業務をしています。研究のプロデュースは、コンサルタントのような仕事で、その仕事をもっとやりたいと思っていたところ、診断士の資格を知りました。いずれ独立開業する予定で、地元で診断士の仕事もしたいと思い、神奈川協会に入りました。令4会の運営委員をしています。
大野:吉田さんと同じく、6月に入会し実務補習を経て10月に登録、令4会の運営委員をしています。公益団体勤務で、文化施設で管理責任者をしています。同期会があることと公益推進部の仕事に興味があったこと、入会を迷っていたときにオンラインで相談に乗っていただいたことで、神奈川県協会に入会しました。日本文化全般に興味があって、趣味はお茶のお稽古や仏像鑑賞です。今後は本業の経験が生かせる公益的な仕事や、芸術家の支援をしていきたいです。登録グループではないですが令2会から発足した三浦湘南共創ネットワークに参加しています。
伊藤:診断士登録はH24年、神奈川協会への入会はH27年です。診断士と関わりのある公的団体に所属しています。数年前まで中小企業の経営支援業務をしていた際、依頼先の課題に合った専門家をうまくマッチングできるかが成果を大きく左右すると実感し、診断協会にどのような専門家がいるのか知りたいと思い神奈川県協会に入会しました。協会では、かながわコンテンツ創造研究所、かながわ再生承継研究会、神奈川飲食店研究会、神奈川医療介護経営研究会、神奈川実践IT研究会、AIビジネス研究会、マーケティング実践研究会など勉強会に所属し、はとば会(士業交流を目的とする遊びの会)では会長をしています。はとば会分科会の「かなゴル」にも入り、ゴルフを通じて診断士間の交流を深めています。様々な得意分野を持つ専門家を知っていることが私の強みでもあります。また診断協会の活動とは別に「ちいきん会」という中小企業支援機関と地域金融機関と専門家のネットワークづくりをする会にも入り、その神奈川県版を立ち上げ、事務局を担うことにより、神奈川県内で士業、金融機関、支援機関のネットワーク作りの手伝いをしています。趣味は日本舞踊とゴルフです。
斎藤:H30年に協会に入会しR2年に独立しました。公益推進部の理事をしています。大手のIT企業でSEとしてシステム開発をしていました。仕事自体は充実していましたが、何年か続けていると同じ仕事をしていて発展がないなと思い始めていた頃、社内で中小企業診断士一次試験の講座があり、それをきっかけに勉強を始めました。神奈川で登録グループには入っていませんが、東京のVEの研究会に入っています。金融機関連携プロジェクトや、IT系の企業の支援、補助金、継続的な企業の支援などのほか、今後は事業が傾いた方のお手伝いをしたいと思い、ターンアラウンドマネージャーの資格を取り、経営改善計画の支援もしています。
齋木:日本生産性本部の養成課程を経てH24年に資格取得、協会にH29年に入会しました。大手人材系企業で経営者への採用支援や管理職を経験し、その後、人材・営業変革コンサルティング・SPI分析・研修企画、マネジメント等を経験。各種新規事業の立ち上げを経験しました。業務で培った企業分析や実践支援の経験をスキルとして可視化したいと思ったのが、診断士を目指したきっかけです。あらためて企業の成長には人材が重要だと思っていて、現在はキャリアコーチングにも従事しています。協会では主に会員交流の担当、かながわ士会では横浜市様セーフティネットPJTのPM等を担当しました。多くの会員の方と接するたび刺激を受け勉強になっています。
窪田:今年9月に登録し10月に入会しました。税理士は15年前に登録し8年前に独立開業しました。税理士は制度会計が専門なので、管理会計にはあまり詳しくありませんでした。ある時、中小企業庁の方の研修会を受ける機会があり、これだと思い、その足で受験予備校へ向かい勉強を始めました。診断士の資格をどう使っていいかまだよく分かりませんが、できることが広がったと思うので、自分がやりたいと思う仕事をやっていきたいです。趣味はいろいろありまして、食べることも遊ぶことも大好きです。
与那覇:私は会社を早期退職して診断士を目指し、今年5月に登録、7月に神奈川県協会に入会し、現在は令4会の運営委員をしています。マーケティング実践研究会や東京協会の事業承継マスターコースで勉強しています。元々は新卒で大手メーカーに入社し、半導体関連の仕事をしていました。今では珍しくないですが「旧姓使用」「2回の育児休職」「女性の労組執行委員」「管理職」等経験し、当時は周囲で前例がなく、仕事以外でも苦労しました。皆さんも同様だったかと思います。なので働く女性の支援も診断士の目標の一つです。
石川:新卒で入った企業でIT部門に配属され、インターネットの黎明期にグループ会社が業務で使用するネットワークのインフラ整備に奔走しました。何もないところから仕組みを作っていくことが楽しかったものの、その後仕事が単調になってしまったところで、外の世界の役に立ちたいと診断士の勉強を始め、R3年12月に登録して協会に入りました。理論政策研修の運営委員、相談員のアシスタント、プライバシーマークの審査員などもやっています。趣味の家庭菜園で有機無農薬栽培にチャレンジしています。
新人が先輩3人に質問をぶつける形になりました。
Q.専門家派遣などでのマッチングはどのように決まるのでしょうか。ポイントは?
A.経営診断は、会社の健康診断なのでスキルがあれば誰でもできますが、重症の会社の場合、実行支援できる人が必要です。そのため、重症な部位に応じた専門家をマッチングすることになります。
 実績が分かっている人ということにはなるのだけど、例えば、自分はこれができると協会や、SNS自分のブログなど、いろんなところで発信すると目に留まりやすい。使ってみようかということにもつながる。そのためにもまずは、助手でもいいから経歴書に書ける実績を作ることが重要です。
Q.支援の実績とはどういうものでしょうか。また、仕事を頼みたい人とはどういう人でしょうか。
A.何業の診断をやったとか、具体的にどの部分(財務、生産管理…)の支援をしたとか、グループでもかまわない。助手で入っても、これやりたいと主体的に参加して。スキルや実績を見える化すること。近頃少なくなったけど新人なのに偉そうな「俺様先生」は問題外。
 仕事を頼みたい人は、傾聴力がある人。ただ聞くだけではなくて、課題を引き出す「アクティブリスニング」ができる人は貴重。さきほど(自己紹介の中で)1時間の持ち時間で分析して課題を抽出して社長をやる気にさせて次回の約束を取り付けていてすごいなという話が出ましたが、まさにそのとおり。あとは信頼関係が作れればどうにでもなる。中小企業者の幅広い悩みに対応し、課題を抽出した後、自らの専門性を発揮して実行支援までできるのが望ましいのだけれども、当然そんな万能な人はいないので、まずは一分野でもいいから得意分野を持つ「T字型」を目指し、自分では対応が難しい課題に当たった時には、適切な専門家を紹介できるように、日頃から人的ネットワークづくりをしておくことが大事だと思います。そういう意味ではいろんな引き出しをもっている人は強いです。
Q.公益推進部の仕事はどんなことですか。
A.主に自治体の仕事をします。神奈川は、診断士会は支援機関や個社相手に収益性のある仕事、協会は自治体相手に有償・無償を問わず公益に資する仕事を公益推進部で請けるというように分けています。神奈川県とやっているSDGsプロジェクトは、県からの依頼ではなく公益推進部で立ち上げ、県に協力したいと話を持って行きました。
会を終えて
 途中休憩をはさんで2時間にわたる密度の濃い時間でした。「肩に力が入らずに、いいお話が聞けた」「生のお話が聞けてよかった」など参加した方の評判も上々でした。ここには書けないお話も聞けて得した気分です。
 今回欠席にも関わらず、わざわざ返信をいただいた方もたくさんいました。せっかくできたつながりです。生でお話できる機会を、今後も吉田さんとともに検討したいと思います。
【令4会 大野千佳】