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診断士インタビュー
折笠勉さん
会員

診断士の匠「ニッチな専門性を武器に仕事の幅を広げる」

<プロフィール>
2012年 診断士登録
経営コンサル・アライアンスSOAR代表
独立診断士
診断士として長くご活躍されている先輩から、その経験やノウハウを学ぶ『診断士の匠』。今回は経営コンサル・アライアンスSOARの代表で独立診断士の折笠勉さんにお話を伺いました。
・現在の主なお仕事内容を教えてください
 最近は東北の復興支援案件に携わっています。私は医療介護業界がバックボーンなので、震災で被害を受けた地域に戻ってきたお医者さんの建物や機械など環境を整える支援をしています。
 そのほか、神奈川士会で補助金関連のお仕事や、信用保証協会の案件、福祉サービスの第三者評価などを行っています。
・診断士になったきっかけは?
 もともと、病院の臨床検査を請け負う中小企業で役員をやっていたのですが、ある時に大口の案件を大手さんに持っていかれ会社が傾きかけたことがありまして。そのときに経営のことを何も知らないなと自覚していろんな研修会に参加していたのですが、そこで診断士の方に出会ってお話を聞いているうちに「これはいい!」と思ったのがきっかけです。次の日には予備校に申し込んで通い始めていました(笑)。
・独立されたのはいつですか?
 開業は2014年、62歳のときです。年齢的には若くないですが、中小企業の経営者として財務から人事までオールラウンドの対応が求められ、その時の経験と試験勉強で学んだことを実践して「ちゃんと手を打てば会社は潰れない」という実感を持っていたので、そういった経験は自分の強みとして活きていると思います。
・診断士として仕事をするうえで、大切にしているポイントはありますか?
 仕事のポートフォリオを作ることが大事だと思っています。ひとつの仕事に偏りすぎると波があるので、たとえば私の場合は保証協会や補助金の仕事などいくつかの柱を作り、収益を安定化させていくことを心がけています。
・ポートフォリオを作るために、仕事の幅を広げるコツはありますか?
 なるべくニッチな専門性を持っておくのがよいと思います。私は名刺の表に「医業経営コンサルタント」と入れていますが、そうすると過去に出会った人から、ある日、急に医業系の相談がくることがあるんですよね。また逆に私も、名刺交換で「○○の専門家」など書いてあると一応取っておいて、自分があまり詳しくない業界の案件がきた際に相談したりして経験を広げていきます。
 中小企業診断士という肩書は、言うなれば「普通免許」のようなもので、仕事を頼む方からすると「大型」とか「自動二輪」とか、そっちの方が知りたいはずですから。
・神奈川県協会の魅力を教えてください
 私は東京と千葉の協会にも入ったことがあるのですが、それらと比べると神奈川は人間味があって、とてもフラットな雰囲気があると感じています。協会にはこれまでお世話になってきたので、私も今後は若い人を育てるお手伝いをしようと思い、実務補修の指導員や登録グループの神奈川医療介護経営研究会で医療業界の話を伝えています。
・これからの若手診断士にメッセージをお願いします
 若い人は、どんどん前に出てゆくギラギラ系になってほしいと思います。中にはそういうのを嫌う人もいますが、いくら頭が良くても推進力がないと前には進まないので、ぜひギラギラしてほしいです。そこで失敗して覚えて、角が取れてくるとバランスのいいコンサルタントになれるはずです。
【田中 将統】