診断士インタビュー
林恭輔
会員

診断士の匠 「”面白い”を支援する!診断士の流儀」
- 診断士として長くご活躍されている先輩から、その知恵やアドバイスをいただく『診断士の匠』。
フランチャイズで飲食店を経営、取締役を経て診断士資格を取得して独立。現在はS-ark中小企業診断士事務所・認定経営革新等支援機関でご活躍されている傍ら、石川町でフランチャイズのお茶の小売店を経営されている、林恭輔さんにお話を伺いました。 - プロフィール
- 趣味:サッカー
お茶の小売店:労働プラザの駅の逆側でやってます!
お茶の小売店を始めたきっかけ:フランチャイズの研究会をやっていて、流れで始めた。面白そうだったから! - ●現在のお仕事について教えてください
- 補助金支援、横浜支援経営相談窓口、顧問先が2社、あと労働プラザの駅の逆側で、フランチャイズのお茶の小売店をやっています。補助金支援は、事業再構築補助金は80件以上やりましたね。
まだ補助金支援が流行っていない時期からご支援させていただいていて、2018年に知り合いの診断士の方から誘われたのがきっかけでものづくり補助金から始めました。当時でモノづくり補助金ができて5年くらい経っていたかな?まだ当時は今のように体系だったノウハウはなかったですが、ぼちぼち補助金で独立する人が出始めていた気がします - ●仕事の中で特に大切にしているモットー、考え方などを教えてください
- 一番大切にしているのは、その仕事を自分が面白いと思えるかどうかです。自分が応援したいと思う会社を応援し、面白そうなことをやっている会社にもっと伸びていってほしいという想いを大事にして支援しています。
そしてもう一つ、店舗ビジネスをやってきた経験から、店を潰すのは終わりではないという考えを大切にしています。店舗を運営すればするほど赤字、マイナスになる瞬間だってあります。なので、顧客に対しては一度撤退するのも経営判断の一つです、と提案することもあります。
あるエピソードなのですが、経営相談窓口に飛び込みで電話が来ました。切羽詰まった声なので急いで事情を聴きましたが、30代の小売業の社長でした。電話のまま色々ヒアリングをしていく中で、収支的にも資金的にも家賃減額や給付金、コロナの借入・リスケ等で対応できる段階では既になく、資金ショートの緊急性も極めて高かったのでテナントからの撤退、商品をメルカリやヤフオクなどで販売すること、それでもだめなら自己破産を視野に入れる、というご提案をすることになりました。その途中には、私自身も過去に居酒屋を経営していたこと、店舗を閉店するか悩んでいた時が一番辛く、閉店を決断してからは心が軽くなったこと、資金的にはコンビニ等でアルバイトした方が残ったこと、などの話をしました。そして相談の最後に、たった60分間、電話口の向こうで話しただけの人にこう聞いたのです。「で、社長、会社員に戻れますか?」。数秒間を置いたあと、社長は「いや無理ですね」と言いましたが、その声は60分前の悲壮感ではなく、少し笑いすら帯びていました。大手出身者ではありませんが、起業家でもある診断士として、顧客と寄り添えたかなと感じる印象的な相談でした。 - ●今後のご自身の仕事に対するビジョンを教えてください
- 顧客への価値提供をしっかり感じてもらえる形で診断士をやりたいと考えていて、同時にお茶の小売事業も育てていきたいと考えています。診断士活動を8割、お茶2割くらい。現在、補助金のご支援も行っていますが、補助金は1年間のうち4か月くらいが忙しい季節労働者だと考えています。今後は「見る、書く、話す」の3つをバランスよく育てていきたいと考えていて、特に「話す」ことに挑戦していきたいです。
① 見る 診断業務
② 書く 補助金支援
③ 話す 講演会、セミナーなど
たとえば、商工会議所での値上げ対策セミナーや新入社員研修会などに挑戦して、経験を積みながらオリジナルのメニューを作っていきたいですね。でも、私が新入社員研修会をやると、独立して仕事をすることの楽しさを伝えすぎてしまうかもしれませんね(笑) - ●若手診断士に向けてのアドバイス、メッセージをお願いします
- うまく喋れて表面を取り繕うことができる場面もあるかもしれないですが、「自分の提案で、明日の社長さんの行動が変わるのか」、「社長さんにとって会社が良くなる価値を提供できるのか」、そういう観点で顧客をご支援いただくと良いと思います。
- 【濱谷(はまたに) 悠太】