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神奈川工科大学講座講義報告『「知識」と「現実社会」をつなぐ』

講義のゴール

 本講義では、大学で学んだ「知識」を実社会でどのように活用していくかを考え、「知識」と「現実社会」をつなぐことをテーマとしました。学生のみなさんが日頃学んでいる内容が、社会における課題解決の場面でどのように生かされるのかを体感できることを目標としました。

特に理系の学生は、研究活動を通して日常的に「仮説を立て、検証する」という思考プロセスを実践しています。
この仮説検証思考は研究に限らず、実社会における課題解決においても極めて重要な考え方であることを伝えることを目的としました。

そのため、実際に社会で起きた事例を題材として取り上げ、問題解決に向けた仮説を立案するとともに、その仮説を検証する過程で、多様な立場の人々と協力しながら課題を解決していくプロセスを、ロールプレイングを通じて体験してもらいました。
これにより、専門知識だけでなく、社会で求められるコミュニケーション能力や協働の重要性についても理解を深めてもらうことを講義のゴールとしました。

講義の主な内容

 本講義は、企業紹介を受けた後に実施される授業であることを踏まえ、まず自身の動物園勤務経験をもとに、動物園という職場の紹介や業務内容について説明しました。

その後、実際に動物園で遭遇した薬剤耐性菌を保有するタヌキの事例を取り上げ、「なぜ野生動物が薬剤耐性菌を保有しているのか」というテーマについて、学生自身に仮説を立ててもらいました。

続いて、その仮説を検証するためには、研究者だけではなく、行政、研究者、動物園職員、地域住民など、さまざまな立場の人々との連携が必要であることを説明しました。その上で、関係者との合意形成や情報収集の進め方を体感してもらうことを目的として、ロールプレイングを実施しました。

最後に、実際に公表されている研究成果を紹介し、そこに至るまでの研究プロセスや課題解決の道筋について振り返りました。また、自身の将来のキャリアにおいて同様の課題に直面した場合、どのように仮説を立て、関係者と連携しながら課題解決に取り組むことができるかについて考察してもらい、講義のまとめとしました。

受講された学生からのコメントや反応

①総合的なコメント

・講義全体の満足度: 「とても満足」(44.4%・8名)、「満足」(55.6%・10名)となり、受講者全員(100%)が高評価を示しました。

・分かりやすさ・話し方: 内容の分かりやすさ、講師の話し方や雰囲気についても全員が肯定的(とてもわかりやすい・わかりやすい / とても聞きやすかった・聞きやすかった)と回答しています。

・分量・テンポ: 88.9%(16名)が「ちょうどよかった」、11.1%(2名)が「テンポが速かった」と回答しました。

②考えの深まり(設問別集計)

・「正解のない問い」に向き合う重要性: 全員が肯定的であり、特に約7割(66.7%)が「強くそう思う」と回答し最も高い評価となりました。

・理系学びの社会での活かし方: 「そう思う」「強くそう思う」を合わせると94.4%に達し、具体的なイメージ形成に寄与しました。

・キャリアや多様な生き方の気づき: 将来のキャリア形成や多様な働き方・社会人としてのスキルについても大多数が思考を深めるきっかけになったと回答しています。

③主な感想・気づき(自由記述より)

・キャリア観の変化: 化学系の知識が施工管理や機械系など幅広い業界で活かせることに気づき、夏休みのインターンシップ参加への意欲が高まるなど具体的な行動変容が見られました。

・多角的な視点の重要性: ロールプレイングや実際の事例(動物園の事例・住民参加型会議など)を通じ、行政、地域住民、メディアなど利害関係が異なる様々な立場の視点に立って物事を考えることの難しさと重要性を実感したという声が多数寄せられました。

④今後聞いてみたいテーマ(上位)

・大企業・中小企業・ベンチャーの違い(5名)

・資格・スキルアップ・キャリア(4名)

・海外で働く・グローバルキャリア(3名)

⑤受講者の声・要望

・抗生物質耐性菌や動物園運営の背景事情などについて、さらに詳しい解説を聞きたかったという発展的な要望も挙がっています。

・ロールプレイング形式のワークショップが「楽しく学べてよかった」と非常に好評でした。

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