連載企画 中小企業における経営企画について (1)
自己紹介
令6会の大澤一樹と申します。元々は靴のメーカーに所属し、製造業の現場から流通を見てきました。その後転職し、食品包装資材の卸業に所属、診断士の資格を得た現在はリスティング広告での集客や、indeedを媒体とした求人を主力としたWebマーケティングの企業に所属し活動しております。
製造現場から卸、小売りとモノの流れを見てきたWebマーケターというのはあまりいないかもしれません。これまで数々の中小企業に所属し、見てきた中で「経営企画」があまり機能していなく、多くの中小企業で「やりたいけど、出来ていない」という領域なのではないかと思いました。
ここに中小企業診断士として支援できることがあるのではないかと思い、今回4回に渡り記事を書かせて頂く次第です。
中小企業における経営企画とは何か
「経営企画」という言葉を耳にすると、大企業の本社で戦略を練る部署を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、上場企業の多くには経営企画部門が存在し、企業の将来像を描き、経営戦略を立案し、その実行状況を管理しています。
一方、中小企業ではどうでしょうか。多くの企業では社長や役員が日々の営業・現場対応に追われ、経営企画という役割を担う専任者や部署が置かれていないのが現状です。その結果、意思決定が短期的になりがちで、中長期的な成長戦略が後回しになる傾向があります。

経営企画の役割は大きく4つに整理できます。
・1つ目は経営戦略の立案です。
自社の強み・弱み、市場や競合の状況を分析し、今後の方向性を明確にします。
・2つ目は数値計画の策定です。
売上・利益・投資計画などを具体的な数字に落とし込み、達成の道筋を描きます。
・3つ目は進捗管理と改善です。
計画と実績の差異を分析し、必要な修正を行います。
・4つ目は情報収集と提案です。
経営判断に必要な情報を社内外から集め、経営層に提案します。
中小企業でも経営企画は必要不可欠です。市場環境の変化が早く、業界構造や顧客ニーズが急速に変わる現代において、場当たり的な経営はリスクを高めます。たとえば、同業他社が新サービスを展開しているのに、自社では将来の計画が定まらず対応が遅れると、市場シェアを失う危険があります。また、人材採用や設備投資も長期的視点がなければ後手に回り、成長機会を逃すことになります。
では、なぜ多くの中小企業では経営企画が機能していないのでしょうか。
理由の一つは人員不足です。限られた人材を現場や営業に集中させざるを得ず、将来構想を考える余裕がないのです。
もう一つは情報不足です。外部環境の分析や業界動向の把握には、専門知識や情報収集の仕組みが必要ですが、それを整備する余裕がない企業が多いのが実情です。
こうした状況を踏まえると、中小企業診断士が果たせる役割は大きいのではないかと考えます。診断士は経営全般に関する知識と分析力を持ち、外部の客観的視点で企業の現状を捉え、今後の展開について提案できます。まさに「社外の経営企画部」として機能できる存在です。
次回は、なぜ中小企業に経営企画が不可欠なのか、その必要性を事例やデータを交えて掘り下げていきます。経営企画の導入が企業の未来をどう変えるのか考えていければと思います。
【大澤 一樹】




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