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診断士インタビュー
福田幸俊
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診断士の匠「人として正しい行動が信頼と成長につながる」

診断士として活躍する先輩から知恵や助言をいただく『診断士の匠』。今回は、機械商社勤務を経て48歳で独立し、現在は事業再生や資金調達支援を中心に活躍されている福田幸俊さんにお話を伺いました。
プロフィール
機械商社で26年間勤務し、発電所や製鉄プラントなど大型設備の営業に従事。2018年に独立。主に新事業支援、経営計画立案、資金調達支援を行っている。
● ご経歴と独立までの経緯について教えてください
大学卒業後、機械商社に入社し26年間勤務しました。発電所や製鉄プラントなど大型案件に携わりましたが、40代で体調を崩したことを契機に今後の働き方を考えるようになりました。また、自社に経営戦略を担う機能が十分になかったことから、経営そのものを体系的に学びたいとの思いを強くし、中小企業診断士を目指しました。48歳で退職し、退路を断って養成課程に進み、修了後そのまま独立。独立当初は、中小企業診断士として何ができるのかさえ手探りの状態でした。1年目は11の研究会に参加し、とにかく経験を積むことを優先しました。その後、2年目でコロナ禍に直面しましたが、専門学校講師の仕事を継続できたことで収入を確保しながら、苦境に直面する飲食店を中心に多くの支援を経験してきました。様々な活動を通じて、自身は営業経験を活かした新規事業支援や販路開拓支援が強みであることを再認識し、現在の支援スタイルを築いてきました。
● 現在のお仕事について教えてください
現在は信用保証協会や東京都中小企業振興公社などの公的機関からの依頼を中心に、経営改善計画の策定、資金調達支援、補助金支援などを行っています。また、紹介を通じて継続的な支援を行う企業も増えています。長年の営業経験を生かし、新規事業や販路開拓に関する支援を得意としています。
●仕事の中で大切にしていることを教えてください
最も大切にしているのはコミュニケーションです。経営者の言葉だけでなく、表情や仕草、姿勢からも本音や課題を読み取り、十分な信頼関係ができるまでは踏み込んだ改善提案は行いません。社長が自ら主体的に語り始めたら、十分なコミュニケーションができ、信頼関係が構築できているサインだと考えています。また、支援の開始時には必ずゴールを明確にし、相手に合わない施策を無理に押し付けないことを心掛けています。たとえ一般的には有効な施策であっても、経営者が納得できない方法を無理に勧めることはありません。大切なのは解決策を押し付けることではなく、経営者自身が気付き、納得して行動できるよう支援することです。これこそが、診断士の役割であり価値だと考えています。
● 今後のビジョンを教えてください  
今後は事業再生分野への取り組みをさらに強化したいと考えています。経営改善では対応できず、民事再生や第二会社方式などの選択肢が必要となる企業への支援体制を整えたい。なぜなら、過去に親族が事業失敗によって苦労した姿を目の当たりにした経験が、その原点にあります。中小企業経営者に同じような苦しみを味わってほしくないとの強い想いが、ビジョンにつながっています。
● 若手診断士に向けたメッセージをお願いします
私の好きな言葉に「疾風に勁草(けいそう)を知る」があります。調子が良い時には多くの人が集まりますが、本当に困った時に支えてくれる人こそ大切にすべき存在だという意味です。若手診断士に対しても、「診断士である前に、一人の社会人、人間として誠実であってほしい」と思います。小さな相談にも、儲かるかどうかではなく、まず相手に寄り添って支援してほしい。また、勉強だけで満足せず、実践経験を積んでほしい。そうした積み重ねが、必ず長期的な成功につながります。
● 後記
福田さんのお話から、知識や手法以上に「信頼関係を築く姿勢」が診断士に求められていることを学びました。また、インタビューを通じて、人としての誠実さや正しい行動を積み重ねることこそが、長期的な信頼と成長につながることを改めて実感しました。
【井上 雅之】