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戦後80年、ペリリュー島遺骨収集 ~シニア診断士の社会貢献~
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向井実(むかいみのる)、2016年診断士資格取得、東京協会に入会。 2022年神奈川協会に重複入会、2023年NEC退職独立。 向井経営法務コンサルティング 代表 メールアドレス:mukai0707@gmail.com
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「Hi, Mukai-san, Hone!」、現地スタッフの興奮した声が響く。ここは、日本から3千km南方のパラオ共和国、ペリリュー島。80年前に壮絶な日米戦が行われ、1万人が戦死。未だ3千体の遺骨が日本への帰郷を待っている島だ。 「定年後、少しは社会貢献したい」と現役時代から寄付でつないできた『戦没者遺骨収集事業』。念願のパラオ、ペリリュー島の発掘現場にて、戦没者の遺骨が見つかった瞬間だ。
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戦後80年
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今年は、太平洋戦争終戦から80年の節目になります。NHKも特集を組むために、『遺骨収集事業』への同行取材を強化しており、今回のペリリュー島にも同行して来ました。僕は、遺骨収集団の中で、戦車チーム担当となりました。 お祖父ちゃんをペリリュー島の戦いで亡くした日本遺族会の城戸年子さんと一緒のチームでした。
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実は、NHK編成的にはこの城戸さんを中心に、戦争の悲惨さや、遺族の苦しみや、遺骨収集への想い、にスポットライトを当てる方針で、集中的に撮影、同行取材を行っていました。たまたまですが、僕もNHKの7時のニュースで、年子さんの隣に写りこみました。
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赤紙一枚
80年前、この小さな島を防衛する目的は、米軍に飛行場を造らせないためで、フィリピン、祖国日本の防衛だけが目的でした。この洞窟陣地を使った防衛持久戦は、本土空襲の要であった『硫黄島の戦い』へと引き継がれていきました。
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召集された1万人の日本兵の中には、赤紙(召集令状)一枚で、「おめでとうございます」、「ばんざい」と故郷を送り出された、頼れる父、優しい夫、自慢の息子がいました。
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米軍が「4日で攻略可能」とした島を、要塞化した洞窟陣地などの持久戦で74日間持ち堪えました。
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「一分でも、一秒でも、故郷に暮らす家族、愛する人が安寧に過ごしてほしい」との一心で防衛し、餓死、病死、自決、爆死していきました。
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ペリリュー島の歴史
パラオは、ドイツ敗戦により第一次世界大戦後に国際連盟による日本の委任統治領となり、以降25年間日本による統治、開発が行われました。だから、今でも親日国で、全人口の25%は日系パラオ人です。 僕たちの宿舎はReiko-Innで、現地スタッフにはOkada-san、Tsutomu-kunもいました。
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太平洋戦争後は、国際連合の信託統治領として米国が50年間統治し、1994年にパラオ共和国として独立しました。しかし、通貨は米ドル、公用語は英語、国防は米軍が担っています。2015年には現在の上皇上皇后両陛下が、戦後70年でペリリュー島を慰霊訪問しています。
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考古学者、人類学者から遺骨発掘のレクチャーを受けたときの様子。
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シニア診断士としてのつながり
シニア診断士としての活動とは関係の無いライフワークと思っていましたが、思いがけないつながりがありました。
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NHKの7時のニュースを見ていた友人の紹介で、「生き残り引揚者」として創業した金属加工事業者からの支援オファーがありました。
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また、専門家派遣先でも「実は、召集されたお祖父ちゃんが南洋に派遣されたが、遺骨さえ戻って来ていません。私の分まで頑張って下さい」と孫の社長に激励されました。
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戦後創業した中小企業には、この「死んでいった仲間と戦後復興への想い」から苦労して事業を立ち上げた事業主も多くいます。普段は、過去の遺恨を語ることはありませんが、忘れられない想いを胸に秘めています。
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おわりに
戦後80年、シニア診断士として平均健康寿命まで、残り5年間。
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「僕らの世代に残された仕事」、としてこの『遺骨収集ボランティア』をライフワークにしていくつもりです。
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今年は、未だ1万人の遺骨が帰郷を待っている、東京都小笠原村『硫黄島』での遺骨収集事業に参加すべく、体力と気力を維持しつつ、骨学や歴史の勉強を積み重ねています。帰郷を待ちわびる、ご高齢のご遺族の為にも。
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