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(だいたい)30歳からの英語習得法
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沖園 卓海(おきぞの たくみ)、2024年度資格取得、同年神奈川県入会。経営学修士(University of Washington)。政府系機関で資源・エネルギー向けの金融支援業務に従事。将来は地元の町おこしに携わることを夢見る登録一年目の駆け出し企業内診断士。
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英語コワイ
いきなり恥を晒しますが、私は英語が大の苦手です。中学1年の最初の中間試験でアルファベットが満足に書けずクラスでビリを取って以来、英語に対してトラウマ級の苦手意識を抱えています。高校でも大学でも英語は(数学に並んで)鬼門でして、ずっとこの言語から逃げ回ってきました。そんな私が海外駐在を申しつけられたのは、30歳を目前に控えた社会人6年目の夏です。
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駐在先は米国・ヒューストン。海外企業への出向というTOEICスコア600台前半の人間には極めてハードルの高い辞令でした。ただ、身の程知らずの私は、英語の挨拶すら満足にできないのにカッコ良さそうというだけの動機で駐在希望を出していましたので自業自得です。更に悪いことに、私はこの時点で全く危機感を持っていませんでした。外国に住んでいれば英語は勝手にできるようになるだろう(ラッキー♪)、くらいにしか思っていませんでした。
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早々に戦力外宣告
当地では某資源事業の企画部門に配属されました。2‐3名の日本人を除くと、あとは全員外国人。英語はひと言も分かりません。その場の状況から何か仕事を指示されたことはかろうじて分かるのですが、具体的に何をすれば良いのか分かりません。聞き返すこともできません。恥ずかしいのではなく、どう聞き返せばよいのか分からないのです。駐在開始から3カ月ほど経たある日、私は上司に個室へ呼ばれ、「このままでは日本に帰ってもらうことになる」と告げられました。この日の情景は今でも夢に見ます。
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猛勉強
クビという現実を突きつけられ、私のお尻にようやく火が付きました。盛大に見送ってもらいないながら、3カ月で強制帰国なんてカッコ悪すぎる。ここから私の猛勉強が始まりました。やったことは以下の3つです。
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① 大学受験用の英単語帳一冊(3,000語)を頭に叩き込む 英語は文脈で理解しろという意見もありますが、最低限の単語が分からなければ文脈も理解できません。受験生のように白紙にゴリゴリと書いて、暗記マーカーで塗り潰して、音読を繰り返しました。これは理屈じゃありません。筋トレです。
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② ひたすらシャドーイングを繰り返す 英語を聞きながらひたすら口真似する手法です。これは通訳の方の学習法をまねたものです。意味を考える必要は無く、単語や発音を調べる必要もありません。ただ聞こえたままに声に出すという訓練です。米国にはNPRというほぼ一日中ニュースをやっているラジオ局があり、私はこれを教材にシャドーイングを続けました(日本からもアプリで聞けます)。半信半疑で始めたのですが、どういうからくりかリスニングとスピーキングが飛躍的に向上しました。
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③ とにかく喋る 海外において奥ゆかしさは理解してもらえません。沈黙は同意と見做されます。日本人特有の自信なさげな笑顔は、相手にとって不気味ですらあるようです。ですので、とにかく自信を持って堂々と喋ること。これは自分の英語が上達するだけでなく、相手を自分の英語に強制的に慣れさせるという効果も期待できます(私にはこっちの効果の方が大きかったかも)。正直、三単現のsとか、過去形/過去完了形とか、LとRの発音とか、どうでも良いのです。意味が通じれば良いです。ネイティブもしょっちゅう間違っています。
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英語サバイバーの独り言
このような生活を1年ほど続けていたら、いつの間にかクビという話は立ち消えになり、なんとなく仕事は回り出し、同僚と自然にやりとりをするようになっていました。英語を恐れて枕を濡らすこともなくなり、私は3年間の駐在をやり終えることができました。帰国間際に記念受験したTOEFL iBTのスコアは103でした。
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昨今、国内市場の飽和化といわゆるJapanブランドの浸透により、海外展開を考えておられる中小企業様は多いと思われますが、言語の壁は根本的な問題である分、侮れない参入障壁となります。自身の経験から申せば、語学はコミュニケーションにおける1ツールであって最終的には何とかなる話でありチャレンジしたもの勝ちの世界ですので、これを理由に事業機会を逃すのは非常にもったいないと感じます。
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現に、外国語が出来なくて大変なことになった、というニュースは古来意外なほどお目にかかりません。とは言え、言語の心配が要らないというのは大きなアドバンテージであり、その意味で英語力の涵養は企業の伴走者たる中小企業診断士にとって極めて汎用性の高い武器となります。幼少期より英語に苦しんだイチ日本人の英語克服記として、本コラムが皆様のご参考となれば幸いです。
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閑話休題
現在も仕事で英語を使いますが、苦手意識はなくなっていません。英語で何かしろと言われると今でもとても気が重いです。ただ、これは英語の問題ではないのかもしれないと思い始めています。例えば、私はレセプションなどでの英語のちょっとした会話が死ぬほど苦手なのですが、よく考えると、私は日本人の集まりでもすみっこで小さくなっています。要するに、これは語学の問題ではなくコミュニケーション能力の問題なのですね。お喋り然り、プレゼン然り、日本語で出来ないものが英語でできる訳がないという至極当然の帰結なのでした。
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