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エネルギー価格から考える中小企業経営
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沖園 卓海(おきぞの たくみ)、2024年度資格取得、同年神奈川県入会。経営学修士(University of Washington)。政府系機関で資源・エネルギー向けの金融支援業務に従事。将来は地元の町おこしに携わることを夢見る登録一年目の駆け出し企業内診断士。
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はじめに
エネルギーと聞いて、皆さんは何を思い浮かべられるでしょうか。中小企業経営の現場からは、まず「燃料」というお答えが返ってくるように思います。そのとおり、大正解です。では、「燃料」というと何を連想されるでしょうか。配送トラックのガソリン代や、月々の電気代の請求書が頭に浮かぶかもしれません。いずれもそのとおりです。ただ、本稿ではもう少しこの概念を広げてお話してみたいと思います。
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人間はナニを食べている?
唐突ですが、みなさんはお米派ですか、それともパン派ですか? 私はお米派なんですが、最近はお腹周りが気になり始めて、二杯目は我慢するようにしています。でも、ごはんを食べないとお腹がすいて動けません。トラックや工作機械と同じように、人間も活動にはエネルギーを必要とします。食品表示に「○○kcal」とありますね、あれです。そのエネルギーを、私たちは食事から得ています。これを三段論法で表してみましょう。
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人間はごはんで出来ている…① ごはんはエネルギーである…② 人間はエネルギーである …③
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ここから「人間はエネルギーである」という定義が導かれました。やや突飛な響きですが、私はこの定義は間違いではないと思っています。
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宇宙はエネルギー?
この定義はどこまでも敷衍出来ます。人間がエネルギーであるならば、そのエネルギー源である食料もやはりエネルギーです。エネルギーがバナナやリンゴという形をとっているのです。トラックや工作機械がエネルギーで動くというのはイメージしやすいと思いますが、例えば伝統工芸品や手作りの衣類、職人が作るこだわりの椅子や机だって、その加工の過程でエネルギーが加えられている以上、やはりそれらも何らかの意味でエネルギーなのです。この世界のあらゆる活動がエネルギーです。私は素人なので深入りすると舌を噛みそうですが、カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』では、突き詰めれば宇宙自体が巨大なエネルギーの移動そのものである、エネルギーの移動が時間と空間を構成しているということが主張されています(私の理解が間違っていたらごめんなさい)。
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エネルギー価格が上がるとどうなる?
なんだか話が大きくなり過ぎました。本来の目的である中小企業経営に戻ります。これまでのお話でエネルギーはあまねく活動に関わっていることが分かっていただけたかと思います。ここで、エネルギー価格のお話になります。エネルギー価格の高騰というと、ガソリン代や電気代が真っ先に議論になって、それはそれで全く間違いではないのですが、その影響というのは実はもっと大きくて、燃料代や光熱費だけではなく、一見関係なさそうな人件費や交際費、宣伝広報費、家賃なんかの中にも溶け込んでいるんですね。その意味では、エネルギー価格の上昇は企業活動に伴うコスト全般を押し上げる要素であると言えます。
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ダブルパンチ?トリプルパンチ?
しかも日本はエネルギー小国です。主要エネルギーである石油や天然ガスのほとんどは輸入に頼っています。こういった資源の決済は原則としてドルで行われます。今、かつてないレベルの円安ですね。10年前に比べ円は対ドルで50%くらい下落しています。つまり、今のエネルギー価格の上昇は10年前に比べて単位当たりで1.5倍のインパクトをもたらしているということになります。しかもデフレの状況にあってはなかなか価格転嫁もできませんし、先に述べた人件費や家賃などへの影響は隠れてしまっていますので定量化できないケースがほとんどです。こういったことがボディブローのように中小企業の経営に影響を与えている可能性は大いにありそうなことだと思います。
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おわりに
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エネルギー価格は国際市場で決まりますので、誰かが恣意的に操作できるものではなく、残念ながら価格そのものをどうこうすることは難しいです。エネルギー価格の動向が企業経営に与える影響は一般に考えられている以上に広範であることを知っていただき、このコントロール困難なリスクをどうマネージしていくかという点から皆さまの診断士活動の一助になればと願いつつ、本論を結びます。
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